2011年(平成23年) 9月6日(火)付紙面より
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湯田川から庄内の魅力を発信しよう―。鶴岡市湯田川温泉で4日、地元の温泉旅館協同組合青年部のメンバーを中心に庄内地方の特産物を紹介する「朝ミュージアム」が開かれた。観光客と生産者を橋渡しする役割を担っており、メンバーは「湯田川を訪れれば庄内全体の情報を得ることができる仕組みの構築を目指したい」と意気込んでいる。
朝ミュージアムは、街全体を博物館に例える「エコミュージアム」の手法を取り入れた活動で、庄内の魅力を発信していくことで地域の活性化を図ろうと、地元農家や住民、同青年部などで組織する湯田川・藤沢・田川ゆったりきづきの里協議会(萬年慶一会長)を6月に設立し、開催準備を進めてきた。
内容は、ワークショップなどで庄内の特産物を学んだ同協議会のメンバーが「学芸員」となり、農産物やパネル、資料を展示し、地元の人でも知らない「豆知識」を詳しく紹介するほか、毎回、テーマとなる農産物のスイーツなどが楽しめるカフェを開店する。
第1回の今回のテーマは「だだちゃ豆」。湯田川温泉バス待合所に展示スペースを設け、だだちゃ豆の種や鉢植え、枝付きの「木豆」などを紹介。午前7時にオープンすると大勢の観光客や市民が訪れ、だだちゃ豆生産農家の小野寺紀允さん(29)が「だだちゃ豆の収穫時期は短めだが、より長く食べたいと思った庄内人の努力で早生から晩生まで多くの品種が作られた」と説明。訪れた人たちは興味深そうに話に聞き入ったり、展示物に見入っていた。
鶴岡市内から訪れた主婦(64)は「知ってそうで知らないだだちゃ豆のことを学ぶことができてすごく良かった。毎月楽しみにして訪れたいと思う」と話していた。
同協議会の庄司丈彦さんは「これからも庄内の生産者と深く付き合っていき、湯田川に訪れた観光客に庄内の良いところを紹介し、満足して帰ってもらえれば」と話していた。
今後、朝ミュージアムは毎月1回、テーマを決めて庄内の農産物や特産品の歴史、種類などについて紹介する。将来的には湯田川温泉街に展示個所を多数設置し、観光客から温泉全体を歩いてもらうとともに、生産地への直行バスの運行を考えている。来月のテーマは「カブ」を予定している。