2011年(平成23年) 9月7日(水)付紙面より
ツイート
鶴岡市の出羽三山神社(緒方久信宮司)の「神子(みこ)修行」が6日、始まった。女性だけを対象にした山伏修行で、全国から参加した約60人が3泊4日の日程で山駆けや禊(みそぎ)など擬死再生の修行に励んでいる。
同神社の山伏修行は伝統的に男性だけのものだったが、1993年に出羽三山開山1400年祭を記念し、女性にも開放する形で神子修行が始まった。今年は、北は北海道から西は兵庫県まで、23歳から77歳までの62人が参加した。
男性の修行が、神聖な火を擬死再生の要所で使う「火の行」であるのに対し、女性の行は、男性にない禊を行うなど、「水の行」とされる。また、装束も、男性が藍染めの上着「摺衣(すり)」と頭巾(ときん)に対し、女性は淡い紅花染めの摺衣に白布の宝冠などの違いがある。
初日の6日は、そろいの装束に身を包んだ参加者たちが羽黒山随神門前に集合。神事に続き、午前11時半すぎ、「おたーちー(御立ち)」という掛け声とほら貝の合図で出発。門をくぐり、少し緊張した表情で羽黒山頂への石段を踏みしめていた。
参加者たちは羽黒山中腹の「峰中堂」にこもり、禊や勤行、出羽三山の拝所を巡る山駆け、トウガラシをいぶした煙の中に居続ける南蛮いぶしなどを行い、天下泰平を願いながら、自己を見つめ直す。