2011年(平成23年) 9月11日(日)付紙面より
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鶴岡市立図書館(五十嵐武館長)に10日、東日本大震災で大きな被害を受けた福島県などの歴史や文化、風土などに関する本を集めた「がんばろう東北コーナー」が新設された。鶴岡商工会議所青年部(朝比奈誠会長)が寄贈した50冊余りの図書によるもので、同青年部は「鶴岡に避難している方々に、地元の本を読んで元気を出してもらいたい」と話している。
同青年部は今年3月の震災後、出羽商工会、鶴岡青年会議所と連携し、被災地の復興を願う「がんばろう東北」などの文字を入れた車両用マグネットシート(縦15センチ、横30センチ)を製作。3団体で1100台分を販売し、収益金を被災者支援事業に活用した。
市立図書館への図書寄贈はこの支援事業の一環で、岩手や宮城、福島など各県の出版社、書店などを通して民話や絵本、食文化をまとめた本、観光ガイド、歴史探訪、まち歩き、紀行・旅行本など計51冊(約10万円相当)を集めた。岩手県出身の詩人で童話作家の宮沢賢治の作品を扱った絵本(全冊)などは、すでに貸し出しされているという。
この日、市立図書館を訪れた朝比奈会長が、出入り口付近に設けられた特設コーナーの前で五十嵐館長に贈呈目録を手渡した。朝比奈会長は「鶴岡へ避難している人たちから本を読んで元気を出してもらい、地元の歴史や文化をいつまでも忘れないでもらうとともに、鶴岡市民にも本を手に取ってもらい『東北はひとつ』という気持ちを新たにしてほしい」と話していた。
図書館によると、特設コーナーは1カ月ほど出入り口付近に設置する。その後も場所を変えて設置を続ける予定。