2011年(平成23年) 9月13日(火)付紙面より
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県営ほ場整備事業が行われている鶴岡市西郷地区で11日、水田の用水路にすむ生物の引っ越し作戦が行われ、地区の親子連れなどがたも網でメダカやフナなどをすくい、仮設の保全池に移した。
同地区では県が2009―13年度、西郷北部地区経営体育成基盤整備事業として、306ヘクタールを対象に区画の拡大や用排水路整備などを実施。周辺には貴重な西茨湿原などがあることを踏まえ、一帯を「ミズバショウの郷」として、自然環境の保全に配慮して事業展開している。
引っ越し作業は、同事業の受益者らによる同基盤整備事業推進委員会(佐藤健三委員長)が、地元の豊かな自然環境を住民自らの手で次代に伝えていこうと、今年5月に西郷小6年生を対象に行ったのに続き2回目。来年度に整備事業に入る水田148ヘクタール内で、長崎、西沼、西茨、茨新田の4つの住民会が中心となってそれぞれ実施した。
このうち長崎住民会(照井栄市会長)では子供、大人各約20人の合わせて約40人が参加。子供たちは田んぼの用水路にたも網を入れ、魚や貝類などが掛かると、「あっ、捕れた」などと歓声を上げた。「こうすればいっぱい捕れる」と童心に返り、楽しそうにコツを伝授する男性もいた。
種類を確認すると、魚類ではギンブナ、シマドジョウ、メダカ、タイリクバラタナゴ、モツゴなど、そのほかニホンザリガニ、マルタニシ、カワニナ、アカガエルなどが捕れた。
ほ場整備では2カ所にこうした生き物を放す保全池を建設予定だが、未完のため、この日捕った生物は近くの仮設の保全池に放した。