2011年(平成23年) 12月10日(土)付紙面より
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大黒様の「お歳(とし)夜」の9日、庄内地方の各鮮魚店などでは大黒様に供えるハタハタを焼く作業で大忙しとなった。
庄内地方ではお歳夜に「マメに働けますように」「子孫繁栄」などの願いを込め、納豆汁や豆ご飯、なますなど豆尽くしの料理と一緒に、焼いたハタハタのみそ田楽を食べる風習がある。ブリコの粒が「マメ」とともに子孫繁栄の願いに通じるとされる。
鶴岡市銀座通りの三浦佐五兵衛鮮魚店(三浦弘子店主)では、市内を中心とした常連客から約300匹の注文が舞い込み、この日は午前5時からハタハタ焼きの作業に追われていた。庄内浜で水揚げされたたっぷりのブリコを抱えた新鮮なハタハタを炭火で串焼き。魚の焼き加減をしっかり確認しながら、一本一本丁寧に焼き上げていた。
三浦さんは「大黒様の日に今の若い世代の家族はハタハタを食べないところが多い。でも毎年、うちのハタハタを楽しみにしてくれる常連のお客さんがいてくれてありがたい」と話していた。