2011年(平成23年) 12月11日(日)付紙面より
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国の文化審議会は9日、遊佐町吹浦の「鳥海山大物忌神社吹浦口ノ宮」の本殿と摂社月山(つきやま)神社本殿、中門・廻廊、後神門・玉垣、拝殿・登廊、下拝殿の計6件を「文化財建造物」(登録有形文化財)に登録するよう文部科学大臣に答申した。
吹浦口ノ宮は鳥海山大物忌神社の里宮で、境内奥に庄内藩主・酒井家により建立された本殿、摂社月山神社本殿が並び建つ。両殿ともほぼ同規模の建ちの高い一間社流造社殿で、江戸中期の1711(宝永8)年ごろ建立され、妻飾などに独特な意匠が用いられてい
る。
両本殿の前面には、切り妻屋根で端正な造りの中門を構え、その左右に廻廊を延ばす。また、両本殿間の背面には後神門を建て、両側に玉垣を巡らせて神域を画している。さらに中門前面の石垣下には、桁行五間の拝殿を建て登廊で中門とつなぐ。下拝殿は内部に宮殿を祭るなど特異な内部空間を持つ。