2011年(平成23年) 12月13日(火)付紙面より
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田川地区の中高生と一般のクラリネット奏者によるチャリティーコンサート「クラリネットワールド・イン・ツルオカVol.2」が11日、鶴岡市錦町のエスモール光の広場で開かれた。重厚な響きから軽快な音色までさまざまな演奏が繰り広げられ、会場を埋めた観客から大きな拍手が送られた。
コンサートは、昨年まで山形交響楽団のクラリネット奏者として活躍した牧慎一さん(鶴岡市在住)が発起人代表となり、田川地区吹奏楽連盟や音楽仲間に開催を呼び掛けた。同楽団在籍中、公演で太平洋側の各県を何度も訪れた牧さんは被災地の惨状に心を痛め、「少しでも被災地の支援になれば」とチャリティーコンサートを企画したという。今年4月の鶴岡まちなかキネマ以来2回目のコンサートで、3月11日の東日本大震災発生から9カ月目となる12月11日を開催日とした。
この日は田川地区の中高校の吹奏楽部メンバーや社会人奏者など合わせて約60人が参加。各校のクラリネット・アンサンブルを中心にしたプログラムが組まれ、「弦楽四重奏曲ヘ長調」や「ピアノソナタ『悲愴』」などが披露された。
大震災が発生した午後2時46分、モーツァルト作曲の「アヴェ・ヴェルム・コルブス」を出演者全員で演奏。会場にクラリネットの柔らかな音色が響き渡り、聴衆はうっとりと耳を傾けていた。
この他、高校生たちの楽しいパフォーマンス演奏やサックス演奏なども行われ、会場を沸かせた。最後は再び出演者全員で「神の御子は今宵しも」「きよしこの夜」といったクリスマスソングや「ふるさと」など4曲を披露した。会場には募金箱が設置され、親子連れなどが募金していた。後日、全額を被災地へ寄付するという。