2011年(平成23年) 12月17日(土)付紙面より
ツイート
鶴岡市藤沢の八幡神社(石原純一宮司)で15日、伝統の「餅まき神事」が行われ、約150キロの餅が豪快にまかれ、老若男女が歓声を上げて拾い集めた。
正式名称は「年結祭(ねんけつさい)」。石原宮司によると、起源は定かでないが、少なくとも江戸時代から続いている。貧富の差が大きかった昔は、集落のみんなが安穏に正月を迎えられるように、持てる者から持たざる者に「供物のお下がり」という形で、餅を分け与える意味があったという。
今年は、多い人で3升(約6キロ)をはじめ、住民65人が合わせて約150キロの紅白の切り餅を奉納。約30畳の拝殿には幼児から古老まで住民100人余りが詰め掛けた。
藤沢大黒舞グループの7人による大黒舞奉納に続き、神事で奉納者や地区の中学3年生の名前が読み上げられ、家内安全や高校合格を祈願。石原宮司が「今年は大震災があったが、みんなで分け合い、力を合わせて頑張った。この祭りも、自分の家だけでなく、みんなで楽しく正月を迎えられるようにというもの」と説明。ドンドンドンドンという太鼓の音に合わせ、総代たちと両手につかんだ餅やあめを、「そーれっ」と豪快にまいた。
住民たちは「いでっ」「キャー」「こっちさも」などと悲鳴、歓声を上げながら、頭上から降り注ぐ餅を楽しそうに拾い集めた。持参のビニール袋をいっぱいにした男児は「家で焼いて食べる」とにこにこ顔だった。