2011年(平成23年) 4月10日(日)付紙面より
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庄内産はえぬきの米粉を使った焼きそばの試食会が8日、酒田市二丁目の焼きそば専門店「米沢屋」で開かれ、もっちりした食感で好評を博した。
米粉の利用促進を図ることで庄内米の消費拡大に結び付けようと、庄内みどり農協(阿部茂昭組合長)が製めん業の「まつだ食品」(酒田市東町一丁目、松田善成社長)に米粉を提供し、焼きそば用米粉めんの製造を要請。同社で試行錯誤を繰り返し、約半年かけて米粉30%、県産小麦粉ゆきちから70%のゆでめん「酒田 米っこやきそば」を開発した。
新しい味で人を呼び、中心商店街の活性化にも一役買おうと、中合清水屋店近くの老舗・米沢屋に調理を依頼。この日、市や酒田商工会議所、同農協などで組織する市米粉利用促進協議会のメンバーらを招いて試食会を開いた。
阿部組合長が「焼きそばはB級グルメの定番。それを米粉で製品化しようと考えた。まつだ食品で試作を重ねてもらい、おいしいめんが出来上がった。県内、全国に届けられるようになればありがたい」とあいさつ。松田社長が「米の風味を残しながら、べたーっとならないようにゆでめんタイプにした。いい商品になったと確信している」と話した。
米沢屋の田近美世子さん(48)が、同店の特徴であるソースを自分の好みで後からかけて食べる焼きそばを調理。試食会参加者からは「もちもちしておいしい」「トッピングの庄内豚チャーシューがぴったり」「結構、腹持ちがする。中高生がいる家にはいいかも」などの声が上がった。
「米っこやきそば」を使ったメニューは9日から17日まで米沢屋で限定販売(一皿580円)するほか、同農協の産直施設「山居館」内の「こめっこ」で9日から1パック350円で販売する。また、家庭調理用の袋入り「米っこやきそば」も、近くスーパーなどで販売する計画。問い合わせは庄内みどり農協みどり販売課=電0234(26)5535=へ。
2011年(平成23年) 4月10日(日)付紙面より
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「尾浦の自然を守る会」(太田威会長)主催の高館山植物観察会が9日、鶴岡市の高館山周辺で行われた。参加者たちが春の雨の中、芽吹き始めた里山の自然を楽しんだ。
観察会は、同会が年間を通して開催している。本年度は「ホタル観察会」や「親子ザリガニ釣り大会」など、来年1月まで計7回を予定。初回のこの日は「春の植物観察会」と銘打ち、大山公園駐車場をスタートして都沢湿地と下池、高館山、上池を回る約8キロのコースを設定した。
この日はあいにくの雨となったが、鶴岡市や酒田市、庄内町など地元のほか、東根市や山形市など内陸から中高年を中心に11人が参加。市自然観察指導員の富樫捷士さんがコースの案内人を務め、ゆっくりしたペースで歩きながら植物を観察した。
都沢湿地では足元に咲いているアブラナ科の種漬花(タネツケバナ)について「水田近くに咲く雑草で、この花が咲く季節になると農家はイネの種子を水に浸し、苗床の準備をすることから名付けられた」と解説した。
また、富樫さんは「今年は冬の大雪の影響か、カタクリの見ごろは1週間から10日ほど遅れているようだ。マルバマンサクは見ごろを過ぎたが、ショウジョウバカマなどがこれから花盛りになりそう」と話していた。
参加者たちは、湿地の保全やさまざまな草木の話に耳を傾けながら、ラムサール条約に登録された上池、下池を眺め、豊かな自然に包まれた高館山を散策。見知らぬ小さな花を見つけてはじっくりと観察していた。