2011年(平成23年) 7月10日(日)付紙面より
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食品・製菓原材料製造販売の波里(本社・栃木県佐野市、藤波一博社長)と庄内みどり農協(本所・酒田市、阿部茂昭組合長)が、作付面積約140ヘクタール、収穫量で約900トンに及ぶ米粉用米(はえぬき)の生産契約を締結し8日、JR酒田駅前のレストラン「ル・ポットフー」で契約発表式を行った。酒田市農政課によると、米粉用米生産で1農協がこれだけの規模の契約を結ぶのは全国的にも例がないという。
同農協は、米粉を普及することで庄内米の消費拡大、食料自給率の向上、地域農業と経済の発展に役立てようと2009年、酒田市、酒田商工会議所と一緒に米粉利用推進協議会を設立。従来より細かい粒子にできる製粉機を導入して作った米粉サンプルを飲食店や食品製造業者、菓子店などに配布し商品開発を促すとともに、自らも米粉製品の開発や米粉料理コンテストを開催するなど、米粉の普及に取り組んでいる。
一方、波里は1947年の創業から一貫して菓子や食料品の原材料になる上新粉、もち粉、きな粉などを製造・販売。米粉は天ぷらや焼き菓子用の薄力粉、食パンやピザなどに利用できる強力粉、製めんに最適の中力粉に加工し業務、家庭両用に販売しており、今年は米粉用玄米を約4000トン使う計画という。
藤波社長は、米粉用米が国の政策で主食用米の需給に影響を及ぼさない新規需要米の一つになり、栽培面積10アール当たり8万円が助成され60キロ当たり2000円ほどの販売価格でも採算が取れるようになって、輸入が大半を占める小麦の価格に近づいたことや、国産のため安心・安全できることから「消費はまだまだ伸びる」との認識を示し、来年産は1万トンまで増やす計画を明らかにした。
両者の契約は、小麦アレルギー対応の米粉パンを開発・商品化した東北日本ハム(本社・酒田市、武田中一社長)と酒田市が仲立ち。「品質の高さで知られる庄内米を使うことができれば、米粉のPRにもなる」(藤波社長)として合意した。
発表式には関係者約30人が出席。阿部組合長が「稲作を主力とする当地にとって、米粉用米の増産は地の利を生かせる新たな礎になる」、藤波社長が「米粉用米の生産には、食料自給率の向上という高まいな理想がある。天ぷらがカラッと揚がるなどの長所もあり、現在500万トン使われている小麦粉の1割、50万トンぐらいは代われるのでは」、阿部寿一市長が「今日は日本の農業にとって画期的な一日。飼料用米同様、転作を米でできる。素晴らしいことで、大きな突破口を開いてくれた」とあいさつした後、手を重ねて協力を誓い合った。
テーブルには地元の老舗菓子店・小松屋の「ふなはこび」「庄内米はえぬき生ロール」、東北日本ハムの米粉パン「酒田便り」など米粉使用商品が並べられ、参加者は味見しながら今後の取り組みなどを話していた。
2011年(平成23年) 7月10日(日)付紙面より
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鶴岡市の山王通りに商店街をアピールするフラッグ(のぼり旗)80本が新たに設置され、商店街に明るさと華やかさを演出している。道路整備で今春には、電線地中化工事により沿線の電柱が取り除かれており、すっきりとした空間に鮮やかなフラッグが映え、商店街を訪れる市民からは「山王通りがにぎやかになった」といった声が上がっている。
道路整備が進み、一新されつつある山王通りをアピールしようと、鶴岡山王商店街振興組合(三浦新理事長)が5月から設置している。歩道拡幅で新たに設けられた車止めにポールを取り付け、延長約400メートルの道路両側に常設。併せて車止めにはハーブのバジルを植えた植栽ポットを備え、周囲には渡会電気土木(鶴岡市)から提供された枝垂れアサガオやインパチェンスの苗を植えたプランターも配置した。
フラッグは「山王商店街」「山王ナイトバザール」と、近くにある鶴岡まちなかキネマをPRする「まちキネ」の3種類で、大きさは縦1・2メートル、横36センチ。商店街とナイトバザールはそれぞれのシンボルカラーの緑と黄を基調に、商店街のシンボルマーク「まいどおじさん」を配し、まちキネは赤が基調のデザイン。普段は商店街とまちキネの緑と赤のフラッグを40本ずつ設置し、5―10月の第3週は開催告知を兼ねてナイトバザールのフラッグを掲げる。
山王商店街の三浦理事長は「フラッグを設置してから、にぎやかになったとか、商店街らしいといった声が届いている。これからも歩いて楽しいい商店街の雰囲気づくりを進めたい」と話している。