2012年(平成24年) 8月30日(木)付紙面より
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昭和を代表する大作曲家・古賀政男が創設に関わった「明治大学マンドリン倶楽部」の鶴岡公演が28日夜、鶴岡市文化会館で開かれた。往年の古賀メロディーやクラシック、ポピュラー音楽、世界の名曲など世代を超えて楽しめる幅広いジャンルをマンドリンオーケストラで演奏し、鶴岡の音楽ファンを喜ばせた。
同倶楽部は、1923(大正12)年創設で、今年で創部90周年を迎えた。年間70回ほどの全国公演のほか海外演奏旅行も行うなど、「マンドリン演奏といえば明大マンドリン倶楽部」との評価を得ている。
鶴岡での公演は5年ぶりで、明大OBで組織する「明治大学鶴岡駿台会」(明治大学校友会鶴岡地域支部、本間敏英支部長)が主催した。公演に先立ち本間支部長は「歴史と伝統ある倶楽部の演奏は、世代を問わず皆さんを魅了してくれるはず。心行くまでマンドリンの演奏を楽しんでいただきたい」とあいさつした。
演奏は約40人の編成で「古典音楽」「懐かしき日本の詩」「世界の名曲アルバム」の3部構成。恒例の明大校歌の演奏で幕開けし、モーツァルトの歌劇「劇場支配人」序曲、「影を慕いて」「悲しい酒」「丘を越えて」の定番の古賀メロディー、明大OBの作詞家・阿久悠ヒットメドレー、映画「風と共に去りぬ」の「タラのテーマ」、「シェルブールの雨傘」など多彩なジャンルの名曲の数々を披露した。
しっとりと哀調を帯びた音色や軽快で華やかな演奏とマンドリンの音色を自在に変え、訪れた大勢の聴衆を魅了。坂本九のヒット曲「明日があるさ」を倶楽部の演奏で聴衆が大合唱したり、コントのような場面があったりと学生らしい演出もあり、楽しく愉快な公演となった。
5年前に続いて訪れたという鶴岡市内の70代の女性は「マンドリンで聞く古賀メロディーが好きで、公演を楽しみにしていた。ラテン音楽も『津軽組曲』も良くて、本当に楽しめた」と笑顔で話していた。