2012年(平成24年) 9月9日(日)付紙面より
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統合により来春、135年の長い歴史に終止符を打つ酒田市の東平田小(荘司秀明校長、児童68人)で7日、山形交響楽団のスクールコンサートが開かれ、フルオーケストラの力強くかつ繊細な音が、慣れ親しんだ体育館いっぱいに響き渡った。
同校は北平田、中平田の近隣2小学校と統合し来年4月、改修した旧平田中の校舎などを使用し、「平田小学校」として開校する。山響の演奏会はそれに向けた閉校記念事業の一環。全校児童と卒業生など地域住民ら約100人が参加した。
演奏会は「音楽・世界の旅」をテーマに、映画「八十日間世界一周」のテーマ曲で開幕。続いて、ロッシーニの歌劇「ウィリアム・テル」序曲より「スイス軍の行進」、モーツァルトの交響曲第40番第1楽章を、大井剛史さんの指揮で山響メンバー44人が演奏し、オーケストラの奥深い魅力を披露した。
続いて「指揮者って何だ!」コーナー。希望する児童の中から石井由保さん(1年)、森山陽斗君(3年)、高橋快君(6年)の3人が、ラデツキー行進曲の冒頭部分を指揮した。いずれもゆっくりめのリズムだったが堂々とタクトを振り、会場から大きな拍手を受けた。
その後も音楽の旅はイタリア、アメリカと続き、日本では山形県民謡「最上川舟歌」を演奏。また、山響の伴奏でアニメ映画「となりのトトロ」のオープニングテーマ「さんぽ」を、児童全員が元気いっぱいに歌った。
旅の終着地はスペイン。ビゼーの歌劇「カルメン」より前奏曲や「闘牛士の行進」などおなじみの4曲を演奏。児童を代表して森山幸香さん(6年)が「素晴らしい演奏をありがとうございました」と述べて大井さんに花束を贈った。
山響はラデツキー行進曲をアンコール演奏。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団のニューイヤーコンサートでもアンコール演奏されるこの快活な曲を披露し、半年余り先に迫った同校の新しい門出にエールを送った。