2012年(平成24年) 3月30日(金)付紙面より
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鶴岡市立加茂水族館(村上龍男館長)の2011年度入館者数が28日、過去48年間での最高記録を更新した。これまでの最高は09年度の22万353人で、28日の閉館時点でこれを超える22万645人となった。同日、同館で記念セレモニーが行われ、来館した子供たちに記念品が贈られた。
加茂水族館は1964年、現在地にオープン。当初は入館者数が20万人前後で推移していたが、バブル経済の崩壊や近隣県に大型の水族館が次々とオープンした影響もあり、96―98年には9万人台まで落ち込んだ。
そうした中、97年からクラゲ展示を開始し、2004年には米国の水族館を抜いてクラゲの展示種類数が世界一となり話題を集め、入館者数は16万人前後まで回復。08年には下村脩博士(米国ボストン大名誉教授)のノーベル化学賞受賞をきっかけにした“オワンクラゲ効果”で入館者が飛躍的に伸びた。
2010年3月にはそれまでの最高の21万7372人(1968年に記録)を突破。本年度は、今月27日の閉館時点で22万294人。28日は午後2時ごろまで約300人の入場があり、09年の記録を抜いた。
この日の夕方、地元加茂の田澤清子さん(69)と孫の健太郎君(7)、健太郎君の友達などが同館を訪れたところで記念セレモニーが行われ、一行に村上館長が花束やクラゲまんじゅう、Tシャツなど記念品を贈った。
田澤さんは「子供たちが魚に興味を持ってくれるので、近くに水族館があって良かったといつも感謝している。新水族館の完成も楽しみ」、健太郎君は「いつも格好いいサメを見るのが楽しみ。新しくなったら絶対に来る」と笑顔を見せた。
記録更新に村上館長は「昨年3月の東日本大震災後、入館者が大幅に減少したが、6月ごろから前年並みかそれ以上、お客さんが足を運んでくれるようになった。震災の影響で日本海側に向かうレジャー客が増えたためでは」と分析するとともに「新水族館完成に向け、励みになる。さらに職員一同、頑張っていきたい」と話した。
2012年(平成24年) 3月30日(金)付紙面より
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学校法人東北公益文科大(新田嘉一理事長)は29日、酒田市の公益大酒田キャンパス本部棟で理事会を開き、黒田昌裕学長の辞任を承認、新学長にフィデアホールディングス取締役会議長で公益大後援会長の町田睿氏(74)を選任した。4月1日付で就任する。町田氏は「独立自尊の人間を生み出す大学にしたい」と抱負。その一環として、1学年を全寮制にする考えを示した。
小松隆二氏、黒田氏に続く第3代の学長に就く町田氏は1938年、秋田県生まれ。秋田高校、東京大法学部卒。62年、富士銀行に入行し常務などを務めた。95年、荘内銀行頭取に就任した。2009年から現職。
この日は新田、町田両氏が本部棟で会見。新田氏は「本日の理事会で、4月から新しい体制でこの大学を運営していくことを決めた。新学長には庄内、山形の経済を立て直した町田さんにお願いした。庄内を自立させる人材、世界に羽ばたく人材、そして地元を活性化できる人材を育成する教育をしてもらいたい」と述べた。
また、新たに理事長補佐を設け、鈴木孝純三川町教育長、金野信勇羽黒学園顧問が就いたことを明らかにした。
町田氏は「人間教育に懸ける新田理事長の思いに共鳴し、悩んだが引き受けることにした。新田理事長ともども、連帯して大学運営に責任を負う」と決意を表明し、「庄内は20年近く住み第二の故郷。公益大は開学から10年が経過し、創業から発展する時期に差し掛かっている。学内みんなが力を合わせ、新しい体制で大学改革を実施していく」と述べた。
今後の運営方針については「今までも民間の立場でこの大学を見てきた。私立大学であり、経営的な感覚が必要。この1年間、改革、見直しを進めてきた。それを4月から実施する」と話した。
その上で、「公益学は人間が共存していくための学問。『利他』の精神をきちんと身に付けさせたい。そのフィールドとして庄内は最適で、まさに『公益の里』。古来の文化を元に、自立した人材の育成に努める」と抱負を述べた。