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荘内日報ニュース


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2012年(平成24年) 7月14日(土)付紙面より

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触れて遊んで 15日からカブトムシ園

 鶴岡市越中山にある月山あさひ博物村内の「月山カブトムシ園」オープン(15日)を前に13日、現地でオープンセレモニーが行われ、地元の園児たちがカブトムシを園内に放った。

 同園は、豊かな自然を生かした観光資源の掘り起こしを目指し、そば処「大梵字」北側にある約120平方メートルのビニールハウスを整備し、2005年にオープンした。

 セレモニーには朝日保育園の年長児18人が参加。園児たちははじめに、水野野生生物調査室主宰の水野重紀さんから「雄のカブトムシは大きい方の角を持つと弱ってしまうので、小さい角を持ってください」などと説明を受けた。続いて、博物村のスタッフが育てた50匹の雄と雌のカブトムシを手渡してもらい、木にくっつけたり、切り株の上で戦わせたりして園内に放った。カブトムシが羽を広げて園内を飛び回ると、園児たちは「飛んだ飛んだ」などと歓声を上げていた。

 カブトムシ園の営業は15日から来月18日の午前10時から午後4時まで。入園料などの問い合わせは同博物村=電0235(53)3411=へ。

画像(JPEG)


2012年(平成24年) 7月14日(土)付紙面より

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鶴岡市油戸主要地方道 4カ月ぶり開通

 大規模な土砂崩れで全面通行止めとなっていた鶴岡市油戸の主要地方道藤島由良線が13日、4カ月ぶりに開通した。仮設シェルターによる片側交互通行だが、海岸線を走る観光道路の通行再開に地元の観光団体などは「夏の観光シーズンに間に合って良かった」と安堵(あんど)している。

 道路を管理する県庄内総合支庁によると、3月4日の土砂崩れ発生後、同市今泉―油戸の2キロ区間で全面通行止めの措置を取っていた。同支庁では応急復旧工事としてこれまで、崩落斜面の土砂の撤去、落石防護ネットや仮設シェルターの設置などを進め、夏のレジャーが本格化する前に開通にこぎつけた。

 この日は現場に警備員を配置し、午前6時に規制を解除した。由良側と湯野浜側の双方から相次いで車両が通行。ドライバーたちは警備員の指示に従って走行していた。今回の開通を受け、湯野浜温泉観光協会の奥山雄一事務局長は「新潟方面の宿泊客に影響が出ていたので開通してくれて良かった。今後はお客さんの利便性を良くするため、早期の全面開通をお願いしたい」、加茂水族館の村上龍男館長は「当初の予定より開通が早まってくれて工事関係者に感謝したい。海岸線の道路を使う新潟方面からのお客さんも多く、苦情などもあった。今回の開通で不安も解消され、すっきりした」と話した。

 同支庁は恒久対策のためのボーリング調査などを進めており、終了次第、工事を発注する。年内をめどに仮設シェルターを撤去し、全面規制解除を目指す。

4カ月ぶりに開通した鶴岡市油戸の主要地方道藤島由良線
4カ月ぶりに開通した鶴岡市油戸の主要地方道藤島由良線


2012年(平成24年) 7月14日(土)付紙面より

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森の時間54 ―山形大学農学部からみなさんへ―

野生動物との距離感 ―シュヴァルツヴァルトに見る野生鹿と人との関係―  平   智

 昨秋も「森の旅」でドイツに行き、シュヴァルツヴァルト(黒い森)の森歩きを楽しんできました。今日は、そのときに感じた野生動物と人との距離感をテーマに、ドイツ人の動物観について少し考えてみたいと思います。

 今回歩いたのはシュヴァルツヴァルトの南東部にあるシュルッフゼー(「ゼー」は「湖」という意味のドイツ語)の南岸に広がる森、ウンタークルーメンヴァルト。

 シュルッフゼーは、シュヴァルツヴァルト屈指の人気リゾート地の一つで、とくに夏場はウインドサーフィンやスキューバダイビングなどのアウトドアスポーツの拠点になっています。シュヴァルツヴァルトの最高峰であるフェルトベルク(標高1493メートル)からも近くて、湖の周辺の森にはいくつものハイキングコースが整備されています。

 シュヴァルツヴァルトには、近年落葉広葉樹が増えてきていますが、森を構成する主な樹種は依然として針葉樹のトウヒとモミです。このうち、とくにモミは鹿の大好物です。

 シュヴァルツヴァルトにはノロシカをはじめたくさんの野生鹿がいるので、新しく植えた苗木や天然更新によって生えそろった稚樹たちは、たちまち食べられてしまいます。そのため、苗木を植えた場所を柵で囲んだり、一本ずつ金網を巻いたり、プラスチックのケースを取り付けたりして鹿の食害から守らなければなりません。苗木に鹿のいやがる薬剤(最近は天然物由来のものが多いそうです)を塗ることも行われています。

 一方、シュヴァルツヴァルトでは狩猟も行われます。森林を育てるためには困った存在である野生鹿ですが、狩猟をする立場からすると、たくさん繁殖してもらう方がありがたいわけです。ドイツでは最近、狩猟を体験するツアーなども行われるということで、この森にも狩猟を見学するための小屋が設置されていました。

 野生動物を排除したい立場と保護や増殖をむしろ望む立場。ここではそれらを両立させなければならないのです。どうすればいいでしょうか…。
 
 写真は森の中に人工的に設置された野生鹿用のえさ場です。野生鹿たちに麦わらなどのえさを与えて、苗木への食害を軽減するのと同時に、保護して個体数を確保しようとする一石二鳥作戦です。うまくいっているのかどうかは別にしても、森の中での人の営み(木材生産と狩猟)と野生動物たちの生息の両立を目指す知恵と工夫にとても感心しました。

 ドイツ人にとって森づくりと狩猟とは表裏一体になっていて、その延長線上で野生動物との共存のあり方が考えられているんですね。日本でも熊や鹿、猿などの野生動物と人との関係を問い直される出来事がしばしば起きています。シュヴァルツヴァルトで見たこの例は、私たち日本人にも野生動物との共存についてより深く考えるきっかけを与えてくれそうな気がします。

 今年も10月下旬にドイツの森歩きを楽しむ9日間(シュヴァルツヴァルトの森歩きとドイツ最高峰)に出かける予定です。

(山形大学農学部教授、専門は園芸学および人間・植物関係学)

森の中に設置された野生鹿用のえさ場(2011年10月25日筆者撮影)
森の中に設置された野生鹿用のえさ場(2011年10月25日筆者撮影)



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