2012年(平成24年) 8月1日(水)付紙面より
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庄内地方の子供たちが慶應義塾大の学生たちと一緒に栄養学や医学について体験的に学ぶ「夏休み自由研究応援隊」が30、31の両日、鶴岡市内で開かれ、栄養を考えた弁当作りなどに挑戦した。
がん患者の支援や健康情報の提供などを行っている慶應大先端生命科学研究所「からだ館」がん情報ステーション(鶴岡市)が、2010年から始めた。3年目の今年は、同大環境情報学部の秋山美紀准教授のゼミ「ヘルスコミュニケーション」の学生15人が湘南藤沢キャンパス(神奈川県藤沢市)から訪れ、30日に「たべもの探検隊」を鶴岡市総合保健福祉センターにこ・ふるで、31日に「からだ探検隊」を同大鶴岡タウンキャンパスでそれぞれ開いた。
このうち「たべもの探検隊」には鶴岡市と三川町の小学3、4年生24人が参加。同館スタッフから「体を元気にするお弁当のヒミツ」をテーマに、主食(エネルギー)、主菜(筋肉や骨を作る)、副菜(体の調子を整える)の役割や、それぞれの食べる量の割合が「3対1対2が理想的」とする話を聞いた。
続く調理実習では「とり肉のてり焼き」「かぼちゃの茶巾しぼり」など5種を作った。学生のお兄さん、お姉さんから包丁の使い方を聞いたり、楽しそうに取り組んでいた。
朝暘四小4年の吉木駿太郎君(9)は「意外に簡単だった。ゴーヤとシイタケが嫌いだが、栄養があると分かったので、これからは好き嫌いしないで食べたい」と話した。
この後、子供たちは弁当の設計図を作り、持参の弁当箱に詰めて会食。学生たちは、事前の教材作りや昼食後の寸劇など多面的な支援を通じて健康情報の提供方法などを学んだ。
2012年(平成24年) 8月1日(水)付紙面より
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鶴岡市立荘内病院(三科武院長)で31日、医療体験プログラム「オープンホスピタル」が開かれた。医療系への進学を希望する市内の高校生たちが機器を使って消化器検査を体験するなど、医療現場の雰囲気を味わった。
医師の確保が年々難しくなる中、医療現場を体験することで医師などを目指す思いを強めてもらおうと、同病院が昨年から実施。市内の高校に参加を呼び掛け、鶴岡南、鶴岡北、羽黒、鶴岡東の4校から合わせて14人が参加した。
午前中はオリエンテーションの後、心臓マッサージやAED(自動体外式除細動器)を使った心肺蘇生、消化器検査の模擬体験などを行った。
消化器検査では、板垣茂文医師と大滝雅博医師2人の指導で、胃カメラや大腸スコープを模型の中に入れ、胃や大腸の中を確認した。医師から「モニターを見ながらゆっくり」などと指導を受けながら、落ち着いた様子で体験していた。
高柳健斗君(15)=鶴南高1年=は「貴重な体験ができて医師になりたい気持ちが強まった」、風間那津子さん(16)=鶴北高1年=は「全てが初めての体験。将来に向けた勉強の励みになる」と目を輝かせながらそれぞれ語っていた。
午後からは訓練用シミュレーション機器を使った腹腔(ふくくう)鏡下手術の体験のほか、施設見学なども行われた。