2012年(平成24年) 8月22日(水)付紙面より
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富山県入善町の町民会館で10―12日に開かれた「第36回全国高等学校総合文化祭(総文祭)・自然科学部門」のポスター発表部門で、鶴岡南高校科学部が最高賞に次ぐ文化庁長官賞(優秀賞)を受賞した。部員たちは「受賞できるとは思っていなかったので本当に良かった」と、同部門で県内初の受賞を喜んでいる。
総文祭の出場は2年連続3回目。出場した鶴岡南のメンバーは部長の南葉一輝君(3年)、早坂亮祐君(同)、安達景都さん(2年)、奥山慧君(同)、田中良樹君(同)の5人。大会には一昨年から山形大農学部生物資源学科の加来伸夫准教授の指導、協力を受けて続けている「水田土壌の微生物を用いた発電」の研究内容で臨んだ。
自然科学部門は研究発表とポスター発表の2部門。鶴岡南が出場したポスター発表には全国から28校がエントリー。縦1・2メートル、横1・8メートルのボードに研究内容を掲示し、審査員や一般参加者を対象にプレゼンテーション形式で発表。鶴岡南は発電する際に正極と負極で起きている反応など微生物による発電のメカニズムについて研究成果を堂々と発表した。
初の優秀賞受賞に、部長の南葉君は「目標としていた成績よりもはるかに上の賞を取ることができて驚いた。3年間の研究の集大成が、最後の大会で大きな成果として認められて良かった」と話していた。
2012年(平成24年) 8月22日(水)付紙面より
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松山能(県指定無形民俗文化財)が20日夜、酒田市松山地域の皇大神社境内の能楽堂で奉納上演された。33度を超える真夏日となった日中の暑さが残る中、松山能「屋島」などが演じられ、詰め掛けた観客を幽玄の世界に引き込んだ。
松山能は江戸勤番の松山藩士が習得。明治維新後は地元の演能団体「松諷社(しょうふうしゃ)」(榎本和介会長)に受け継がれ続いている。松山藩創立期の祈願所だった皇大神社の例祭に合わせた上演は「月の能」とも称され、「花の能」として6月に開催される「羽州庄内薪能」、1月末に「雪の能」として開かれる「まつやま大寒能」とともに3定期公演の一つになっている。
「屋島」は、平家物語を題材にした修羅物(武人がシテ=主人公=になる演目)の名作で、作者は世阿弥。旅の僧が讃岐の国・屋島の浦で老いた漁師に出会う。漁師は、この地でかつて源平が戦った様子を事細かに語り、自身が義経の幽霊であることをほのめかして消える。やがて、僧の夢の中に甲冑(かっちゅう)姿の義経の幽霊が出現。合戦が忘れられないと妄執を述べ、戦いを思い出して修羅の苦しみを舞い、やがて消えうせるという物語。
同夜は、地元・松山小学校の狂言クラブによる子供狂言「盆山(ぼんさん)」、松諷社による狂言「瓜盗人」に続き「屋島」を上演した。後場で義経の幽霊が、扇や太刀を手に激しく舞う場面がクライマックス。能楽堂前に陣取った多くの観客やアマチュアカメラマンらを魅了していた。