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2013年(平成25年) 5月8日(水)付紙面より

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「湯田川孟宗」直売スタート 春先低温生育遅れ 出荷量少なく、気温・地温上昇に期待

 鶴岡市湯田川の市農協直売施設で7日、特産の「湯田川孟宗(もうそう)」の直売が始まった。春先の低温の影響で生育が遅れ、これまでで最も遅かった一昨年に並ぶ時期の店開き。この日の朝に施設へ集まった孟宗は生産者5人で計約33キロほどと例年よりかなり少ない量だったが、待ちかねた大勢のファンが「朝掘り」の新鮮な孟宗を買い込む姿が見られた。

 湯田川地区は粘土質の赤土が孟宗の栽培に適しており、生産者のきめ細かな管理で軟らかくえぐみの少ない良質の孟宗が収穫され、県内外に知られている。

 直売所は同農協湯田川孟宗部会(大井孝雄会長)が毎年、旬を迎える時期に開設している。今年は昨年並みの60人余りが会員登録し、新鮮な「朝掘り」にこだわって販売する。

 例年は4月末ごろに直売開始となるが、「ここ数年、春先は低温が続いている。特に今年は4月に入っても気温も地温も上がらなかった」(生産者)ため、なかなかまとまった量が確保できていないという。連休明けの7日の店開きは一昨年と並んでこれまでで最も遅い時期となった。

 この日、直売所には開店の午前6時45分を前に約20人が行列をつくった。販売された孟宗はL、Mサイズがぽつぽつで、Sサイズが多かった。山形市の実家に帰省中の60代男性は「今日から販売開始と聞いて、朝4時に山形市を車で出発してきた。タケノコご飯にしたい」と笑顔で話していた。

 大井会長は「昨年の5月7日は約270キロの出荷があったが、今年は9分の1程度。こんなことは初めて。今後の気温、地温の上昇に期待したい」と話していた。直売は5月末までを予定しており、毎朝午前6時45分に開店する。価格は昨年と同じで1キロ当たり500―800円。

春先の低温で例年より出荷数が少ないものの、ようやく湯田川孟宗の集荷と直売がスタートした
春先の低温で例年より出荷数が少ないものの、ようやく湯田川孟宗の集荷と直売がスタートした


2013年(平成25年) 5月8日(水)付紙面より

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酒田・上野曽根上田診療所 「診療所だより」 患者や地域に寄り添い節目の300号

 酒田市上野曽根の上田診療所(矢島恭一所長)が発行する広報誌「診療所だより」が、今月1日に発行したもので通算300号の節目を迎えた。編集担当スタッフは「楽しみに待っている読者がいる。そのような人たちの気持ちに寄り添いながら、これからも発行していきたい」と話している。

 同診療所は1986年10月に開設。患者やその家族と診療所のコミュニケーションを図り、「地区の健康を守る診療所」として広く理解してもらおうと、88年6月に「診療所だより」を創刊。以来、月1回休むことなく発行し、今月1日号で節目を迎えた。

 創刊当時から同診療所のスタッフが取材、編集作業を担当。当初はB6判4ページでモノクロだったが、現在はA4判4ページでカラーに。毎号1300部発行し、このうち約1000部を外来・往診患者、矢島所長が理事長を務める医療法人「宏友会」が運営する福祉施設利用者らに配布している。

 掲載しているのは、毎月のお知らせ、はやっている病気とその予防法、医療全般から話題になっていることなど。また、日頃の思いを伝える矢島所長によるエッセー、地域内の歴史や文化を紹介する記事もあり、読者からは好評を得ている。

 300号はカラー8ページ。矢島所長が「診療所だより」に対する思いをつづったほか、矢島所長と親交が深い「ひまわりクリニックきょうごく」(北海道京極町)の医師、前沢政次さんへのインタビュー記事、診療所に縁のある人たちや発行を楽しみに待っているという患者の笑顔などを載せている。

 18年にわたって編集作業に携わっている伊藤美智子さんは「2005年3月から10回シリーズで掲載した、診療所近くを流れる『郷野目堰』の歴史などを紹介した記事が思い出深い。その後、一冊にまとめて発行した」と述懐し、「患者さまや地域の人たちの笑顔が見たく、ずっと続けてくることができた。これからも人と人とのつながりを大事にしながら発行していきたい」と話す。伊藤さんと共に編集を担う大島可奈子さんは「読みやすいレイアウト、楽しめる記事を心掛け、これからも作業に従事していきたい」とそれぞれ話していた。

節目の「診療所だより」300号を持つ(左から)矢島所長、伊藤さん、大島さん
節目の「診療所だより」300号を持つ(左から)矢島所長、伊藤さん、大島さん



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