2014年(平成26年) 10月3日(金)付紙面より
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鶴岡市油戸にある「学習の森林(まなびのもり)」で1日、地元の加茂小学校(升川繁敏校長、児童46人)の子どもたちがクリ拾いなどの自然体験活動を行った。
学習の森林は1999年度から2001年度まで3カ年かけて民有地を市が借り受けて造成。0・67ヘクタールにクリの木などが植えられ、市内の小学校の総合的な学習の場として活用されている。
加茂小学校は春と秋の年2回、自然体験学習として訪問。この日は2年生11人と、複式学級の3・4年生12人が参加。市農山漁村振興課の職員も同行し、初めにフィールド内でクリ拾い。地面にたくさん落ちた茶色のいがを足で割るなどし、中から大粒のクリを拾い集めた。子どもたちは夢中になって次々と拾い、ビニール袋をいっぱいにした。その後、市職員が用意した「森がなくなると魚が少なくなる」など○×式の問題で森について学んだ後、あらかじめ天日干ししていたものをその場で炭火焼きにした焼きグリを味わい、「あまーい」と歓声を上げていた。2年生の佐藤響さん(7)は「いがが刺さって痛かったけど、クリ拾いは楽しかった。拾ったクリは家でくりご飯にして食べたい」と話していた。
2014年(平成26年) 10月3日(金)付紙面より
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長野、岐阜両県にまたがる御嶽山の噴火を受け、県危機管理課は、酒田市と遊佐町の庄内2市町を含む県内の活火山に関係する市町村に対し、危険箇所や避難場所などの情報を住民に緊急周知するよう求める通知を行った。酒田市では、これまで手薄だった鳥海山の登山者向けの対策を強化する方針だ。
気象庁が認定する国内の活火山は110山。このうち火山噴火予知連絡会が「常時監視が必要」としているのは蔵王山、鳥海山、吾妻山の本県の3山を含む47山。鳥海山は岩木山、富士山、雲仙岳の3山とともに「現在異常はみられないが、過去の噴火履歴などから噴火の可能性が考えられる山」に分類されている。
今回の県の通知は30日付で、常時監視を要する3山の関係市町村を対象に行った。内容は▽火山防災マップなどを活用し、住民に危険箇所や避難場所、噴火時の対応などの情報を緊急周知する▽各市町村の地域防災計画で定める火山災害対策について、内容と実施体制を確認する―の2点。
鳥海山の火山防災マップは県の被害想定を踏まえて2001年3月、酒田市と旧八幡町、遊佐町が共同で製作した。火口や噴石・降灰の分布、融雪による火山泥流の氾濫、溶岩流の到達の各予想範囲など県の被害想定とともに、各市町の避難場所や避難時の注意事項などを載せている。
御嶽山の噴火を踏まえ、酒田市の丸山至市長職務代理者は1日の定例記者会見で、「国や県、遊佐町などと連携し、防災マップを見直したい」とした。また、防災マップが住民向けを想定しているのに対し、今回の御嶽山では登山者に被害が集中したことから、「登山者を含め、市として当面、どんな対策が可能か調査検討を庁内に指示した」という。
同市の桐山久夫危機管監は当面の登山者対策について「市のホームページやフェイスブックを使い、ヘルメットや口を覆うマスクの携行などを呼び掛けたい」とする。
鳥海山の噴火に関しては、国土交通省新庄河川事務所が中心になって2011年12月、関係市町や識者らを交え「鳥海山火山噴火緊急減災対策砂防計画検討委員会」を立ち上げ、本年度中に同計画を策定する予定。同計画は噴火のシナリオやハード・ソフト対策の大筋を示し、県の被害想定や市町村の避難計画の大本となるもの。
同事務所の田村公仁調査課長は「本年度中の策定に向け、委員会開催の準備を進めている。特に御嶽山の噴火を踏まえてということではないが、なるべく早く策定したい」としている。
県危機管理課では同計画の策定を受け、来年度にも関係市町などを交えた火山防災協議会を立ち上げ、あらためて被害想定などの検討に入る方針だ。