2014年(平成26年) 11月7日(金)付紙面より
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三川町と町地域包括支援センター、鶴岡警察署は認知症等高齢者事前登録「無事お帰り」事業の取り組みを始めた。認知症などにより徘徊(はいかい)や道に迷って行方不明になったりしたときに早期発見できるよう、あらかじめ高齢者の情報を町に登録し、行方不明になったときに同署に情報を提供することで高齢者の安全と家族への支援を図るもの。
寒河江市などが同様の事業を始めたことをきっかけに、町民からの要望もあって先月1日から取り組みを始めた。庄内地域では三川町が初めて。
登録は、徘徊する恐れのある高齢者の家族などが支援センターに申請。同センター職員が高齢者を訪問、聞き取りし、本人の状況や、氏名、身長、体重などの身体的特徴、写真などを載せた登録申請書を作成するとともに、住所や名前を記載し服などに貼る名前シールや夜光反射テープなどの「見守りグッズ」を配布する。グッズ配布を通して地域全体で高齢者を見守る体制を整え、行方不明時には登録情報を町や支援センター、同署が共有する仕組み。
同署によると今年1月から11月5日までの管内の行方不明者届け出数は77件で、そのうち三川町は1件の届け出があったという。
支援センターでは町内の全世帯、町内会長会議、民生児童委員などにチラシを配布し、登録を呼び掛けている。五十嵐泉センター長は「家族内の見守り、支え合いには限界がある。この事業は地域全体で高齢者を見守るシステムづくりのスタート」とし、「これをきっかけにさらに皆さんの要望を受け止めながら対応していく」と話している。