2014年(平成26年) 9月12日(金)付紙面より
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木質バイオマスの利活用について学ぶ勉強会が10日、酒田市八幡タウンセンター交流ホールで開かれた。参加者が講演を通し、熱源としての木質バイオマス利活用の可能性を考察した。
森林資源から生産されるチップ、ペレット、まきを燃料として利用する「木質バイオマス」は、有用な熱源としてだけでなく、地域内で生産された間伐材などを供給・利用するという地域循環型社会システムの構築や雇用創出、地域活性化につながるものと期待されている。今回の勉強会は特に森林資源に恵まれた八幡地域でのチップボイラー利用の可能性を探るのが目的で、県庄内総合支庁と市、やまがた自然エネルギー(山形市、山田幸司社長)が企画した。
この日は地域住民ら約60人が訪れ、森のエネルギー研究所(東京都羽村市)の菅野明芳営業部長と山田社長が講演。山田社長は「海外からの輸入に頼る化石燃料から、庄内で生産した木質バイオマス燃料へ」と呼び掛けた上で、「県内の住宅で使われるエネルギー消費構成によると、約7割が給湯、暖房など熱源。これを庄内の森林資源で賄うことができれば、立派な産業ができる」と述べた。
引き続き菅野部長が国内の先進事例を紹介した。八幡地域で八森温泉「ゆりんこ」、湯の台温泉「鳥海山荘」を管理・運営する第三セクター・鳥海やわた観光の和田邦雄社長は「チップボイラーを導入することで、コストが削減されるのであれば興味がある。実現可能かどうか検討したい」と話していた。
次回の勉強会は、「みちのく薪(まき)びと祭り」と銘打ち10月25、26の両日、鶴岡市の三瀬コミュニティセンターを会場に開催される。
2014年(平成26年) 9月12日(金)付紙面より
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2016年秋に庄内地域で開催される「第36回全国豊かな海づくり大会」の実施母体となる県実行委員会(会長・吉村美栄子知事)が10日、発足し、本格的な準備体制に入った。席上、公募で選ばれた大会テーマ「森と川から 海へとつなぐ 生命(いのち)のリレー」が発表され、採用された酒田二中1年の近藤慶哉君(13)が吉村知事から表彰された。
大会の企画・運営に当たる実行委員会は、県や市町村、水産団体、関係団体の代表者ら、参与の報道機関を含め86人で構成した。副会長には榎本政規鶴岡、本間正巳酒田、時田博機遊佐の3市町長、五十嵐安哉県漁協組合長ら6人が就任。事務局は県庄内総合支庁水産課(酒田市)と県水産振興課(山形市)の2カ所に置き、各種原案を作成する幹事会(幹事長・佐藤嘉高県庄内総合支庁長)、その下に総務・広報、式典・放流事業、宿泊・輸送・警備の3専門委員会を設置した。
この日、三川町の県庄内総合支庁で開かれた実行委の設立総会には、事務局を含め約100人が出席。吉村知事は冒頭のあいさつで「本県では約130種の魚介類が水揚げされるなど豊かな漁場が形成されている。大会を機に全国に知ってもらい、本県水産業の振興につなげたい。全国育樹祭(来月、金山町)の機運を海づくりにつなげ、県民を挙げた取り組みにしたい」と述べた。
議事では実行委の設立と会則を承認。続く第1回総会では、先に準備委員会で示された大会基本構想や、本年度の事業計画と収支予算の各案を承認した。
本年度は、企画運営・広報事業として「子ども会議」(来月以降に県内4地区で魚の観察や放流、調理体験などを実施)、「豊かな森・川・海づくりフォーラム」(11月下旬に遊佐町で開催)、機運醸成の取り組みとして「県の魚サクラマス」の認知度向上、大会PRグッズの作成などに取り組む。本年度予算は369万円で、全額が県の負担金。
実行委では今後、大会基本計画の策定に入り、来年3月に開く第2回総会に諮り、承認を得る。来年度はさらに詳細な実施計画を策定する。大会の日程が決まるのは来秋ごろの見通し。
大会テーマは応募総数2433点の中から選ばれたもので、この日は席上、吉村知事と応募者・近藤君の2人が壇上の看板を除幕。吉村知事が近藤君に賞状と記念品として「庄内おばこサワラ」のしゃぶしゃぶセットを贈った。
近藤君は「選ばれると思っていなかったのでびっくり。いつまでも豊かな海が続くようにという思いを込めた」と話した。