2014年(平成26年) 9月24日(水)付紙面より
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歌舞伎の中村勘九郎さん、七之助さん兄弟が出演した「北前歌舞伎祭」が22日夜、酒田市の希望ホールで行われ、迫力ある演技の数々が1200人の観衆を魅了した。公演を前に、2人は県指定無形民俗文化財「黒森歌舞伎」が伝わる同市黒森地区の黒森小学校(大通雄治校長、児童48人)を訪問、児童たちに歌舞伎の所作を指導するなどした。
「北前歌舞伎祭」は、文化庁から助成を受けて実施したもので、文化遺産を活用して地域活性化を図るのが目的。主催は「『文化都市酒田』発信事業実行委員会」(委員長・本間正巳市長)。同庁と日本観光振興協会などが後援、JR東日本が特別協力した。特別プログラムとして今月5日には文化遺産を生かした地域活性化策を考察するシンポジウムを同市の相馬樓で開催した。
今回の公演は、1997年に同市で開催された「酒田湊(みなと)歌舞伎」が縁。2012年12月に亡くなった父・十八代目勘三郎さんと共に訪れた2人は、計3回の公演、お練り、舟乗り込みで市民らと交流した。
この日は黒森歌舞伎の上演に続き、中村兄弟が登場、明治―大正期の浅草の風物を唄と踊りで表現した「都風流」、「道成寺伝説」の後日談を描いた「紀州道成寺」などを披露。芸談も行われ、勘九郎さんは「『必ず戻ってくる』と言っていた父の意志を継いで酒田に来ることができて幸せに思う」、七之助さんは黒森歌舞伎に触れて「生活の中に歌舞伎があるということがうらやましい」などと述べた。
また、質問コーナーでは、97年の「酒田湊歌舞伎」で実行委員長を務めた新田嘉一平田牧場グループ会長が十八代目勘三郎さんとのエピソードを披露、「酒田舞娘(まいこ)が続いているのは2人のお父さんのおかげ」と語り掛けると、勘九郎さんは「酒田は古くから伝わっているものを大切にしている。文化水準の高さが分かる」と答えた。
一方、同日午後に行われた黒森小訪問には、全校児童や地区民が参加。歌舞伎の魅力について勘九郎さんは「先人が受け継いできた芸を今の人から楽しんでもらえるところ」、七之助さんが「スーパースターや動物など、いろいろな役ができるところ」と語った。その後、勘九郎さんが「元禄見え」、七之助さんが女形の所作を披露、児童たちに指導した。6年の星川武蔵君(11)は「勘九郎さんも、七之助さんもテレビで見たことがある。目の前で『見え』を見ることができ、うれしい。迫力があった」と話していた。
2014年(平成26年) 9月24日(水)付紙面より
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カラフルバスが発車オーライ―。鶴岡市錦町のエスモール駐車場で20日、バスフェスティバルが開かれ、路線バスの車体に自由に絵を描く「お絵描きバス」や最新型車両の展示などで、家族連れがバスに親しんだ。
「全国バスの日」(9月20日)の記念事業として庄内交通(鶴岡市)が主催。車体の周囲が真っ白な「お絵描きバス」には、カラーペンを手にした子供たちが次々訪れ大人気。アニメのキャラクターや似顔絵、動物やバス、名前をレタリングするなど自由にペンを走らせ、カラフルな“アートバス”が出来上がった。最新型のノンステップバスやレトロバスの展示コーナーのほか、ミニ電車も走り、家族連れでにぎわった。
祖母と訪れた鶴岡市日出一丁目の今井七未ちゃん(8)、千乃ちゃん(6)姉妹は「バスに猫とハートマークを描いたよ。楽しいな」と笑顔を見せていた。子供たちの絵を乗せたお絵描きバスは後日、市内運行する。