2015年(平成27年) 11月19日(木)付紙面より
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酒田、遊佐、秋田県のにかほと由利本荘の4市町が取り組む「鳥海山・飛島ジオパーク構想」に関し、同構想推進協議会(会長・横山忠長にかほ市長)が主催した「公開摸擬授業」が16日、遊佐町内の2小学校で行われ、推進協アドバイザーを務める林信太郎・秋田大教育文化学部教授(火山地質学、秋田大学付属小学校長)がユニークな実験などを通し、児童たちに鳥海山の成り立ち、溶岩の流れ方などを解説した。
鳥海山と鳥海国定公園に含まれる酒田市の離島・飛島の「ジオパーク」認定を目指そうと、4市町は今年3月、推進協を設立。本年度中の申請、2016年度中の認定を目指している。次代を担う児童たちからジオパークについて理解を深めてもらおうと今回、遊佐、蕨岡両小学校の6年生を対象に授業を開催した。
このうち遊佐小学校(遠田裕子校長)では6年生34人、那須栄一教育長はじめ町内の教育関係者が聴講し、林教授は「鳥海山と遊佐町の秘密」と題して授業を進めた。林教授は冒頭、溶岩について解説し「800―1200度にもなる。近づくだけでも熱くなる」「サラサラ系とドロドロ系、中間の3種がある。サラサラは早く流れ出し、ドロドロは溶岩ドームになるケースが多い。鳥海山は中間」などと述べた。
児童たちは鳥海山を模した立体地形図の頂上や鳥海湖からシャンプー溶剤を流し、水と土砂、岩石が一緒に流れ下る「火山泥流」による影響範囲を確認。林教授は「噴火する場所によって被害想定は変わる。遊佐町の場合、鳥海湖付近が噴火した場合、最も影響を受ける」「鳥海山は60万年間も噴火し続けており、溶岩が積み重なってできている。この溶岩があるからこそ、きれいな水が湧き出る」などと解説した。
また、児童たちは練乳を溶岩、ココアパウダーを岩石に見立てて流れ出る様子を紙皿の上で再現した。池田祐太郎君(12)は「いろいろな溶岩があり、特徴が異なるということを知った。鳥海山について詳しく知ることができた」と話していた。