2015年(平成27年) 8月23日(日)付紙面より
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鶴岡市山王町の老舗写真館「寛明堂」(加藤賢代表)が手掛けた子どもたちをモデルにした「スタイリッシュキッズポスター展」が23日まで、同市の鶴岡まちなかキネマで開かれている。
地元の子どもたちをモデルに要望に応じてロケーションや衣装にこだわって撮影したものを、A2サイズのポスターに加工し展示しているもので、今年で12年目を迎える取り組み。同市や酒田市など庄内一円から申し込みのあった子ども約70人分のポスターを展示した。
新緑の鶴岡公園や小真木原公園などをロケ地に、男の子がサッカーボールを片手にした姿や、女の子が花畑で愛らしい笑顔を見せたショットなど、自然な表情を引き出して撮影。中にはおじいちゃんのトラクターに乗ったり、夜の街角で「魔女」に成り切った少女など、それぞれの思いが詰まったポスターになっている。
会場には保護者や孫の姿を見ようとおじいちゃん、おばあちゃんの姿も見られ、モデルになったわが子や孫のベストショットに喜んでいた。
2015年(平成27年) 8月23日(日)付紙面より
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鶴岡市清水地区に伝わる伝統行事「モリ供養」が22日、同地区の森山(標高121メートル)一帯で行われた。地区内外の参拝者が生花などの供物を携えて山を登り、祖霊を供養した。
モリ供養は庄内地方独特の送り盆の風習。盆で送られた死者の霊が、里近くにある小高い丘や森に一定期間とどまるという信仰に基づき、山で供養が行われる。清水地区の住民からは「三森山」と呼ばれる森山のモリ供養は1100年以上の歴史があるとされ、2000年には国の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に指定された。清水地区のほか、庄内町三ケ沢、酒田市八幡などにも「モリ」がある。
この日は、森山頂上近くにある、7つの御堂と石塔が並ぶ藤墓のうち、仲堂、観音堂、阿弥陀堂、藤墓で午前6時から午後3時までそれぞれ供養が行われた。このうち仲堂では午前、供養の時間に合わせて約30分の山道を登ってきた参拝者が祭壇「施餓鬼棚」の前に参列。個人の戒名や命日を書いた仏札、歯骨などを天翁寺(下清水)の住職らに納め、祭壇に供物をささげた。住職らによって「甘露門」が唱えられる中、墓若勢(はかわかぜ)が「茶湯水あげます」などと発して石碑に水を掛ける作法で供養が進み、参拝者は静かに手を合わせていた。早朝はあいにくの雨で山道はぬかるみ、山頂一帯には霧が立ち込めたが、午前8時から行われた2回目の供養が終わる頃にはモリに日が差した。
家族3人で参拝した鶴岡市平京田の佐藤タケ子さん(69)は「先祖の供養で来ている。嫁いでからだからもう50年近く。当時は義母と一緒だったが、もういない。今は息子夫婦と毎年来ている。ゆくゆくは孫も来るようになってほしい」と話していた。
供養後の帰り道には、地元の大泉小の子どもたちが「お願いします」と巾着袋を広げて並び、参拝者からお布施を受けていた。供養は23日も行われる。