2025年4月2日 水曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2016年(平成28年) 9月16日(金)付紙面より

ツイート

地域の“宝”受け継ぎます 鶴岡・小堅保育園で「波渡ナス収穫祭」

 鶴岡市の海岸部、堅苔沢地区で受け継がれてきた在来作物「波渡(はと)ナス」の栽培に取り組んできた地元の小堅保育園(土岐邦子園長、園児22人)で14日、栽培でお世話になった地域のおばあちゃんらを招いた「波渡ナス収穫祭」が行われた。波渡ナスを使ったたくさんの料理を給食で一緒に味わうとともに、「ぼくたちが受け継ぎます」と地域の“宝”を受け継ぐ決意を新たにした。

 波渡ナスは、堅苔沢地区一帯で自家採取、栽培されてきたナス。加賀野菜の「へた紫ナス」に似た丸みのある大型のナス。同保育園では今年初めて地域のおばあちゃんたちに種を分けてもらい、子どもたちがおなかで種を温める芽出しからチャレンジ。3度の植え替えを経て園庭で栽培し、8月4日の初収穫以来、順次収穫してきた。

 この日の収穫祭には栽培でお世話になったおばあちゃんら約20人が参加。初めに園庭で丸々と実った波渡ナスを収穫。引き続き、屋外で波渡ナスクッキング。包丁を上手に使ってナスを切ったり、ピザ用に春巻きの皮の上にミートソースを敷いてチーズを載せるなどした。

 その後、子どもたちが波渡ナス栽培で感じたことを発表。「小さな種が赤ちゃんで、私がお母さんの気持ちになった」「白いのが芽だと聞いてうれしかった」「ピッカピカでツルツルの波渡ナスがいっぱいできたね」などと3月の芽出しから収穫まで5カ月を振り返り、「今度は種取りを教えてね。ぼくたちの波渡ナスもつなげていくよ」と声を合わせた。

 昼食は、食育アドバイザーとして関わっている海藤道子さんのオリジナルメニューなども加わって、波渡ナスのマリネやステーキ、ピザ、挟み揚げ、お好み焼き風、パスタと10種以上が並んでバイキング給食。おばあちゃんたちは「こんなに手間をかけて料理したことがない」と喜びながら、おなかいっぱい波渡ナスを味わった。

 土岐園長は「何百年と地域で受け継いできたものに、保育園として参画できたのが一番の収穫。子どもたちとおばあちゃんたちのつながりもより深くなった。手間がかかるだけに、子どもたちの波渡ナスにかける思いもひとしお。来年度も引き続き栽培していきたい」と話した。

挟み揚げやピザなどたくさんの波渡ナス料理をバイキングで味わった
挟み揚げやピザなどたくさんの波渡ナス料理をバイキングで味わった


2016年(平成28年) 9月16日(金)付紙面より

ツイート

交流の大切さ忘れない

 鶴岡市の友好都市・東京都江戸川区の鹿本小学校(坂口幸恵校長、児童663人)の6年生が、13日から5泊6日の日程で鶴岡を訪れ、姉妹校の鶴岡市立朝暘第三小学校(栗田英明校長、児童663人)の児童たちと交流を深めている。

 戦時中、鹿本小の児童たちが朝暘三小に学童疎開した縁で1982年に姉妹校の盟約を締結。鹿本小は5年ごとに鶴岡市で校外学習のセカンドスクールを開校しており、毎回、朝暘三小との交流事業を行っている。今回は鹿本小の6年生42人と坂口校長ら引率10人が訪問。19日までの期間、農業体験や自然体験活動などに取り組む。

 日程2日目の14日は、午前中に朝暘三小で出会いの式を開催。鹿本小のブラスバンド演奏や、朝暘三小の校歌合唱を披露し合った。その後、朝暘三小の6年生がガイドを務めて城下町探検。致道博物館と荘内神社、鶴岡公園、大寶館の4カ所を案内した。

 このうち、致道博物館では、酒井家庭園を前に「鶴岡には徳川家の家臣・酒井氏が江戸時代から今も住んでいます。参勤交代に由来する荘内大祭では、三小が奴(やっこ)振りで毎年参加しています」などと説明していた。

 午後からは、両校の交流のきっかけとなった疎開について、朝暘三小卒業生の石田功さん(84)=同市小真木原町=と中村昭子さん(84)=同市若葉町=の2人が講話。小学6年生の時に疎開児童と半年間共に生活したという2人は、当時を振り返りながら「会釈を交わすくらいで、会話することはほとんどなかったが、大変な思いをして鶴岡に来た鹿本の子供たちの何か助けになってあげたいと常に思っていた」「戦争後30年たってから再会し、当時の大変さなどを初めて聞いた」などと語るとともに、「皆さんには平和を守る気持ちをいつまでも持ってもらいたい」と平和の大切さを訴えた。

 鹿本小の今井小百合さん(12)は「鶴岡に疎開した方の話を東京で聞いてきたが『山形に疎開して良かった』と言っていた。今日の話でも、助け合って生きてきたことがよく分かった」、朝暘三小の丹野凌我君(11)は「交流の大切さを忘れずに明日も楽しく過ごしたい」とそれぞれ話した。

両校の交流のきっかけとなった疎開の話を聞いた
両校の交流のきっかけとなった疎開の話を聞いた



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

  ■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field