2017年(平成29年) 9月7日(木)付紙面より
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出羽三山神社(宮野直生宮司)の女性だけの山伏修行「神子修行」が6日、鶴岡市の羽黒山で始まった。9日まで3泊4日の日程で、参加者が心身を清め、自分自身を見つめる修行を積む。
同神社の山伏修行は男性のみに解放されていたが、出羽三山開山1400年の1993年から女性にも門戸を開いた。今年は北海道から福岡県まで22―78歳の65人が参加した。
初日の6日、頭に白い宝冠を巻き、紅花染めの装束に身を包んだ参加者たちが随神門前に集合。午前11時半すぎから神事が行われ、厳かに拝詞などを唱えた後、宮野宮司を大先達に山頂を目指して出発した。
鶴岡市国際交流員を務めるハンガリー出身のジャネット・ラースローさん(26)は「ずってやってみたかった。分からないことだらけだが山伏の合言葉『うけたもう』の気持ちで挑戦する」と話し、宮城県塩釜市から参加した佐藤史枝さん(42)は「実家が葬儀屋で東日本大震災もあり死生観を見つめ直したい」と話していた。
一行は羽黒山中の「峰中堂」に寝泊まりしながら、身を清める禊(みそぎ)や「南蛮いぶし」などの荒行を積む。
2017年(平成29年) 9月7日(木)付紙面より
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歌手でエッセイストのアグネス・チャンさん(教育学博士)を招いた講演会が5日、酒田市の東北公益文科大公益ホールで開かれた。世界中で展開しているボランティア活動を踏まえ、アグネスさんは「互いに違いを認め合い、尊重し合うこと。世界中の人がこの考えを持ったら、戦争が減って平和になるはず」などと述べた。
講演会は、公益大後援会(上野隆一会長)が本年度総会の開催に合わせて企画したもの。アグネスさんは香港生まれ。1972年に「ひなげしの花」で歌手デビューし、日本に「アグネスブーム」を巻き起こした。89年に米国・スタンフォード大大学院教育学博士課程に留学し、94年に教育学博士号取得。現在は芸能活動だけでなく、ユニセフ親善大使、日本がん協会「ほほえみ大使」などとして世界各国を舞台に活躍している。
アグネスさんは「みんな未来に生きる人―少子高齢化社会への提言」と題し講演。「日本は少子化が進むが、その半面、貧困な国を中心に多産。共通点は共に不安なこと。日本では子どもがいると仕事を辞めなくてはいけない、お金が掛かる、多産の国では誰も保証してくれない、死ぬかもしれないという不安」と述べ、解決策に関しては「その不安を取り除くこと。子どもは未来。それぞれの国の成長は子どもにかかっている。遠慮することなく、互いに助け合うことが大切」と語った。
85年、内戦に加えて干ばつで餓死者が相次いだエチオピアを訪問。以降、南スーダン、ソマリアといった平和とは縁遠い国々を訪れ、ボランティア活動、視察報告を重ねているアグネスさん。「世界の未来に向け、日本が貢献できることは多い。日本が前向きであれば、世界の未来も前向きになる。日本人が持つ『優しい心』を役立てて」と説いた。
集まった700人もの観衆はアグネスさんの語り口に引き込まれ、熱心に聴講していた。講演に先立ち公益大の新田嘉一理事長、県・酒田市病院機構の栗谷義樹理事長があいさつした。