2017年(平成29年) 1月17日(火)付紙面より
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鶴岡市の「日本海寒鱈(かんだら)まつり」が15日、鶴岡銀座通りの特設会場で行われた。市民や県内外から訪れた観光客が庄内の冬の味覚「寒ダラ汁」を楽しんだ。
鶴岡銀座商店街振興組合などで組織する実行委員会(竹野等委員長)が主催し、今年で29回目。今年は大雪の影響もあり例年よりも客足が鈍ったものの、内陸や仙台圏、北茨城市からの大型バスツアーなどで県外からも誘客を図り、約2万人が訪れたという。
車両通行止めとした会場には地元の鶴岡銀座商店街女性の会や鮨商組合、鶴岡魚市場青年部など29団体が出店。16団体が約1万食の寒ダラ汁を用意し、1杯600円で販売した。鮮魚やおにぎり、てんぷら、菓子などの販売のほか、新潟、秋田、茨城県北茨城市、宮城県石巻市の物産展も行われた。
この日は午前中から雪が降るあいにくの天候となったものの、大勢の行楽客が各団体の大鍋の前に行列をつくった。訪れた人たちは寒ダラの身と白子、アブラワタ、岩ノリがたっぷりと入った熱々の寒ダラ汁に舌鼓を打ち、「あったまるね」と笑顔を見せていた。父親と一緒に来た朝暘三小3年の工藤結愛さん(9)は「去年も来た。寒い所で食べる寒ダラ汁はとってもおいしい」と話していた。
また、物産展「ぎんざ冬まつり」や「おきつねはんまつり」なども開催され、各種イベントが繰り広げられた。
2017年(平成29年) 1月17日(火)付紙面より
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庄内町千河原の八幡神社(伊藤豊宮司)で15日、伝統行事の「やや祭り」が行われた。上半身裸の男の子たちが厳寒の中で冷水を浴びながら、無病息災や身体堅固を願った。
やや祭りは、安産の神様を祭る同神社の歳越祭の異称。弥生時代に在位した第15代応神天皇の皇子・大山守命(おおやまもりのみこと)が跡継ぎの争いで悪臣に追われ、千河原の妊婦にかくまってもらった際に「私は死んでも神となっておまえたちの身を守る。難産のときは私の名前を唱えよ」と言い残した伝説が起源とされる。
祭りの名前の由来は、若者が手にしたわらで互いにたたき合った風習の掛け声が「ヤー、ヤー」だったという説や、子どもを示す京都なまりの「やや」が元など諸説ある。
祭りの主役は地元の男の子たち。今回は5歳児から小学4年生までの男子7人と、社名旗持ちとして千河原地区の会社員、渡会竜輝さん(21)が参加した。今年は大雪となり、時折ふぶく冬の祭りらしい天候となった。午後1時すぎに大勢のアマチュアカメラマンや見物客、家族が見守る中、「けんだい」と呼ばれる腰みの、さらしを身に着け、頭に白い鉢巻きを締めた子どもたちが境内に設置された祭壇前に並んだ。
1人ずつ両手にろうそくを持ち、神社社務所前に設置された特設舞台に上がると、白装束の大人がおけでくんだ冷水を勢いよく浴びせた。身を切るような冷たさに、子どもたちは頬や背中を真っ赤にしながら歯を食いしばって耐えていた。その後、集落内を練り歩き同神社に参拝した。
今年で5回目の参加という金子清太朗君(10)=余目三小4年=は「寒かったけど、地域の伝統を守ろうと頑張った。今年も健康で元気に過ごせるようお祈りした」と話していた。