2017年(平成29年) 1月5日(木)付紙面より
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遊佐町吹浦の女鹿集落で3日夕から夜半にかけ、奇習「アマハゲ」が繰り広げられた。鬼のような形相の面をかぶり、ケンダンと呼ばれるみのをまとったアマハゲが奇声を上げながら集落内の家々を回った。
アマハゲは、秋田県境に近い滝ノ浦、女鹿、鳥崎の3集落に残る新年行事。3集落ともほぼ同様の形態で受け継がれ、1984年に「遊佐の小正月行事」として国の重要無形民俗文化財に指定された。元日に滝ノ浦、6日には鳥崎の両集落でも行われる。
「遊佐の小正月行事」を含む「神の使い」に扮(ふん)した地域民が家々を訪ねて無病息災を願う8県の8行事が昨年3月、「来訪神・仮面・仮装の神々」としてユネスコ無形文化遺産に提案され、審査は2018年度に行われる予定になっている。
3日は女鹿集落の若衆9人が参加。このうち8人がケンダンをまとった上、▽赤鬼▽青鬼▽赤じんじ▽黒じんじ▽がんぐつ―と呼ばれる漆塗りの面5種をかぶってアマハゲとなった。
集落の鎮守・八幡神社で参拝した後、午後4時すぎに出発。玄関先で「ドーン、ドーン」と勢いよく太鼓を打ち鳴らすと、奇声を発しながらアマハゲが一斉に家の中に。子どもたちは怖さのあまり泣き叫んだり、両親やおじいちゃん、おばあちゃんにしがみついた。母親の実家を訪れた佐藤龍生君(8)=酒田市立宮野浦小2年=は「いい子で1年間過ごすことをアマハゲと約束した」と話していた。
小雨が降るあいにくの天候の中、アマハゲは集落内の約30戸を回った。暴れたアマハゲのケンダンから落ちたわらくず「コモジ」は掃き集められ、家内安全や無病息災を願う縁起物として床の間に一晩飾るという。
2017年(平成29年) 1月5日(木)付紙面より
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鶴岡市のスキー場が、雪不足に苦しんでいる。年末年始の3日間のみしか営業できていない櫛引たらのきだいスキー場をはじめ、羽黒山スキー場は一部のみ滑走可の状況が続く。湯殿山スキー場では営業しているものの思うような集客はできていないという。
最も雪が少ないのがたらのきだいで、4日の積雪は約15センチ。「再開にはあと50―60センチ必要」と担当者。オープンの昨年12月23日から営業できずにいたが、30日のナイターからようやく営業開始。2日からは雪不足により休止している。
羽黒山は、29―2日は営業したが、3日はクローズ。4日から営業再開したが、滑走できるのは休暇村ロッジ側のゲレンデのみという。
湯殿山もオープン初日の昨年12月3日は雪不足で営業できず、同11日になって営業開始。一部のみ滑走可能の状況が続き、3つあるリフトが全て稼働したのは31日になってから。同スキー場の担当者によると「12月の売り上げは、目標のマイナス10%。平地にも雪が少ないので、客足も遠のいているのかも」という。一方、年始は2日をピークに混雑。3日も午前中からスキー客でにぎわいを見せ、リフト前には長蛇の列が。駐車場も満車状態で、路肩に駐車する車もあった。
気象庁が昨年末に発表した向こう1カ月(昨年12月31日―1月30日)の見通しによると、北日本日本海側では、積雪は平年並みか少なく、気温も平年並みか高い日が続くという。