2017年(平成29年) 11月1日(水)付紙面より
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山形、秋田県境にそびえる鳥海山(2236メートル)の頂上に鎮座する鳥海山大物忌神社(高橋廣晃宮司)の「本殿式年遷座祭」が無事に終了したことを受け、奉祝記念大祭が29日まで3日間、遊佐町吹浦の同神社吹浦口之宮などで行われ、本殿などを造り替える「式年造営」の完遂を祝い合った。
同神社は、伊勢神宮(三重県伊勢市)に倣って20年ごとに新たな本殿を造営し、ご神体を鎮めている。記録などから江戸時代初期には行われており、前回は1997年7月。
16回目の今回は2014年6月に「本殿式年造営奉賛会」(会長・新田嘉一平田牧場グループ会長)を組織し、地元だけでなく広く全国各地から寄付を募るなどしてきた。13年の伊勢神宮式年遷宮で解体されたヒノキの部材を使い、新たな本殿が完成し、昨年9月にヘリコプターで頂上まで運ばれた。今年7月8日の日没後、高橋宮司がご神体を本殿に納めた。
29日午前に同神社吹浦口之宮で行われた「御遷座奉祝祭」には奉賛会員、氏子らが参列。高橋宮司による祝詞奏上、完遂を祝う舞の奉納などの後、高橋宮司はじめ5人が神前に玉串をささげた。
引き続き同神社斎館で直会が行われ、奉賛会の新田会長のあいさつを茨木高芳副会長が代読、「前回に引き続き奉賛会長を引き受けて足かけ4年。吹浦の境内で幼少期を遊び育った者として、共に鳥海山の恵みを頂いて暮らす私たちは、大神様の恵みに感謝しつつ、霊峰鳥海の信仰と文化を次の世代へと伝え、確かな継承とさらなる発展を願わずにはいられない。本事業の成功が、美しい自然環境と、私たちの精神文化を見つめ直す好機になれば」とした。高橋宮司は「今回の事業では数多くの皆さまの思いを拝聴した。引き続き地域の皆さまに敬愛されるように誠心誠意、職務に励んでいきたい」と述べた。
2017年(平成29年) 11月1日(水)付紙面より
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やまがた庄内浜の魚応援店と漁業者の交流会が30日、鶴岡市の加茂水族館で開かれた。料理や食材に込められた思いを話し合うとともに、生け締めマダイなどの試食が行われ、互いに交流を深めた。
庄内浜産水産物の県内陸部における消費拡大を図るため応援店に庄内の魚をPRし、相互理解を深め、食材の生かし方など新たな可能性を広げようと、庄内浜の魚消費拡大総合プロジェクト推進本部が毎年この時期に開催している。
この日は応援店と生産・流通団体、県など30人余りが出席。庄内おばこサワラの熟成の仕組みや熟成方法などの説明が行われた後、意見交換。応援店関係者からは「庄内浜の魚をたくさん使っていきたい」「安定供給を」「流通経路が分かりにくい」「庄内おばこサワラは保存が利くので使いたい」などと意見が出され、生産者は「皆さんの要望を聞きながら地域に庄内浜の魚の魅力を広めたい」と話していた。
その後、生け締めマダイの刺し身やリキッドフリーザーで凍結した紅エビとガサエビ、サケのみそかす漬けなどが提供され、出席者が試食した。
河北町の紀の代寿司本店の和田一矢店主(49)は「庄内浜の魚は種類も多くてぜひ使いたい。安定した供給としっかりとした情報交換が課題」と話していた。