2017年(平成29年) 11月19日(日)付紙面より
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日本海沿岸東北自動車道(日沿道)の早期全線開通とJR羽越本線の高速化・羽越新幹線の実現を訴える、山形・新潟・秋田3県沿線市町村による促進大会が16日、東京都千代田区内のホテルで開かれた。羽越本線の大会では新潟地区期成同盟会長の篠田昭新潟市長が、JR新潟駅で進められている上越新幹線と特急「いなほ」の同一ホーム乗り換えについて、「来年のゴールデンウイーク前には供用開始になる」と開業時期の見通しを示した。
両促進大会とも3県住民の熱意を表明し早期実現を政府や関係当局に強く訴えるため、沿線住民と経済団体などを結集して毎年開催している。今回はいずれも約350人が参加した。
新潟駅の新幹線といなほの同一ホーム乗り換えは、新潟市などが同駅周辺で進める在来線高架化の連続立体交差事業によるもので、羽越本線高速化促進大会の主催者あいさつの中で篠田市長が、ゴールデンウイーク前の来年4月ごろに供用開始となる見通しを明らかにした。大会では庄内地区期成同盟会長の皆川治鶴岡市長が開会あいさつし、秋田地区代表の意見発表に続き、庄内地区を代表して丸山至酒田市長が決議文を読み上げ、羽越本線の高速化は全国的に見ても特に遅れており、災害に強い国土形成のためにも政府の基本計画に定められた羽越新幹線の整備が必要不可欠などとして、▽新潟駅での同一ホーム乗り換え事業完了に合わせた所要時間短縮▽羽越新幹線を整備計画路線に格上げするための法定調査開始―など4項目の要望事項を決議した。
一方、日沿道建設促進大会では、来賓祝辞で国土交通省の石川雄一道路局長が「日沿道は約7割が完成しているが、課題は(山形県を挟む)県境部。推計では1000億円以上必要になる。力強い支援で予算獲得をお願いしたい」と述べた。
沿線住民を代表して鶴岡市立加茂水族館の奥泉和也館長が「日沿道は交流人口の増加、観光振興、地域発展などに大きく寄与する。必要不可欠の道路であり、早期実現を望む」と全線開通の必要性を強調して意見発表した。
大会決議では、未開通区間の新潟―山形、山形―秋田の両県境部の工事着手など全線開通に向け事業が本格化してきているとし、▽事業の着実な実施のため、必要な予算の確保・措置▽「朝日温海道路」「酒田みなと―遊佐」「遊佐象潟道路」など事業中区間の建設促進―など5項目を決議した。
2017年(平成29年) 11月19日(日)付紙面より
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酒田市雇用創造協議会(会長・丸山至市長)の新商品公開発表会が17日、市総合文化センターで開かれ、酒田産のイカを使った「米粉イカ肉まん」、山の芋を使った「かまぼこ」と「さつま揚げ」の3種が発表され、市内の飲食店関係者らが試食した。
同協議会は2013年2月、市や市内の商工、農業、漁業団体などで設立。厚生労働省の実践型地域雇用創造事業の採択を受け、13―15年度と16―18年度の2期6年にわたり、雇用創造に向けた人材育成や特産品開発などに取り組んでいる。第2期の特産品開発は「酒田の食材を使用した新しいおみやげ品」をテーマに取り組み、発表会は今年2月の「もち米の玄米甘酒」など4種、7月の「玄米甘酒プリン」など2種に続き、今回が3回目。
「米粉イカ肉まん」は、中国四川料理「仁」(浜田二丁目)の監修で開発。あんは豚のひき肉とタケノコ、シイタケに、酒田港で水揚げされたイカを細かくしたもの、皮には酒田産の米粉を加えた。イカの食感を生かした本格中華の味と、もちもちした皮が特長で、温めて観光客らにその場で食べてもらったり、冷凍品をお土産として販売することを想定している。
「かまぼこ」と「さつま揚げ」は、西塚蒲鉾店(寿町)の監修で開発。同市で近年、栽培が盛んになりつつある「山の芋」は自然薯(じねんじょ)の一種で、すりおろすと粘りが強く、練り物に加えるとふわふわ感が増すのが特長。地元企業が開発した魚醤(ぎょしょう)「あみえび醤油」でうま味をプラスし、地酒に合うおつまみ品として開発した。
この日の発表会には、市内の飲食店や食品業者ら約20人が参加。開発の狙いや特長を聞き、希望者はレシピの利用を申し込んだ。
同協議会が開発した商品のレシピは全て市内の事業者らに無料で公開され、これまで一部は商品化されている。問い合わせは同協議会=電0234(43)1555=へ。