2017年(平成29年) 11月26日(日)付紙面より
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東京都武蔵村山市在住のバス運転手で、商船模型同好会会員の塚田三与志さん(69)が、酒田市の離島・飛島―酒田港間を結ぶ市定期船「とびしま」の50分の1サイズの模型を製作し24日、同市に寄贈した。
塚田さんは幼少時から父親や兄が集めた鉄道模型「Oゲージ」を見て育ち、鉄道や船、バスなどの模型を作ってきた。2013年には東日本大震災で被災した観光船「はまゆり」を模型で復元して岩手県釜石市になど、製作した模型を関係自治体に寄贈している。
とびしまについては今年3月、本県に離島(飛島)航路があることを知り、興味を持ったという。5月の連休に来酒してとびしまに乗り、飛島を訪問。その際、秋葉明彦船長に「模型を作りたいから」と申し入れ、普段は一般人は入れない船首の甲板などに特別に立ち入り、写真を撮らせてもらったという。
模型は、6月から作り始めた。市のホームページで公開されている大まかな図面「一般配置図」や自身で撮影した写真などを参考に、見えない部分は勘も駆使して図面を起こした。厚さ3ミリの模型用合板で骨組みを作り、木と紙、手芸用針金などを材料に、色を塗りながら組み立て、10月に完成した。
座席一つ一つに枕カバーを掛け、室内ではLED(発光ダイオード)の照明が点灯するなど精巧な造りとなっている。長さ約80センチ、幅は約18センチ。
塚田さんはこの日、酒田市役所で丸山至市長に模型を贈り、「とびしまは双胴船の割にスマートで、船首の造りが好き。(昨年9月に赤から塗り替えた)船体の青色も美しい」と感想。飛島について「素晴らしい島。鳥海山の立派な景色が目に焼き付いている。バードウオッチングができるなど島の魅力をもっとアピールして」と訴えた。
丸山市長は「模型を見た子どもたちが(本物に)乗りたいなと思ってもらえたらうれしい」と話し、塚田さんには「これを機に飛島に通って」とラブコール。秋葉船長は「素晴らしい出来で、びっくり。酒田の人でもとびしまに乗ったことがないという人が多い。模型を見て関心が高まれば」と話した。
模型は当面、市役所に展示。その後、とびしまが発着する酒田港の市定期航路事業所待合室に展示の予定。
2017年(平成29年) 11月26日(日)付紙面より
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酒田光陵高校(鈴木和仁校長)で24日、1年生と地元企業との交流会が開かれ、質疑応答で企業の特色や求められる人間像などを学んだ。
県庄内総合支庁が2014年度から、地元企業の魅力を高校生に伝え、地元定着促進につなげようと実施。今回は庄内地方の40社の人事担当者ら74人が同校を訪問。全1年生347人が4―10人の40グループに分かれ、各教室に設けられた企業のブースを5カ所ずつ回り説明を聞いた。
重粒子線治療などに使われる加速器用の磁石などを作っているユーテック(酒田市)は「ものづくり以前に人づくりを大事にしている。加速器用磁石を作っているのは国内で数社だけ」、LED(発光ダイオード)を製作しているスタンレー鶴岡製作所(鶴岡市)は「自動車やバイク、防犯灯などさまざまな分野で使われている。向上心、向学心に満ちた人を大切にしたい」などと説明した。
生徒たちは「自分から話し掛けるのが苦手で、人間関係に不安があるが…」「楽しく仕事をする環境づくりは?」など質問。企業側は「同期の交流が盛んで、あいさつを大切にしていれば、自然と周囲に溶け込める」「毎日違う仕事をするので、新鮮だと思う」などと答えた。
ともに工業科の戸川安紋さん(15)は「会社では社員を大切にすると感じた。友人と過ごす時間を大切にできる会社に就職したい」、池田歩生さん(15)は「働くことはあまり意識していなかったが、今日の会で、自分ももうすぐ働くのだと実感した」と話した。
県庄内総合支庁地域産業経済課では「庄内は求人倍率が高いのに若者の定着率が低いため、人手不足感が他地域に比べて深刻。人手が確保できないため受注を断る企業も出ており、今回のような機会を通じ、少しでも地元就職を増やしたい」と話した。交流会は来月18日、鶴岡工業高でも実施する。