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2017年(平成29年) 11月9日(木)付紙面より

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田川地区に計画の中高一貫教育校 丸山酒田市長不快感示す

 県教育委員会が先月、「田川地区の県立高校再編整備計画」(第2次計画骨子案)で、庄内地方に開設予定の「中高一貫教育校」を2024年度までに鶴岡南高と鶴岡北高を統合する学校に併設する方針を打ち出したことについて、酒田市の丸山至市長は7日の定例記者会見で、「高校再編と一緒に議論するのは受け入れ難い。もっと地域全体のことを考えて議論すべき」と一貫校開設の議論が田川地区の高校再編の枠組みの中で進むことに不快感を示した。

 県教委が先月5日に公表した骨子案では、24年度までに鶴岡南、鶴岡北を統合(普通科6学級、理数科1学級)、さらに県立中学校(2?3学級)を新設し、両高校の敷地・校舎を活用した併設型中高一貫校を開設するとしている。

 これについて丸山市長は会見で「事前に県教育庁から説明は聞いた。田川の高校再編の話は粛々と進めてほしいが、中高一貫校は別問題で、高校再編と一緒に議論するのは受け入れ難いという意見は(県側に)伝えた」とした。また、「同じ学区(県立高校の西学区)なので、鶴岡に県立中学校を一つつくれば、酒田側の影響は無視できない。市町村の財政にも影響が出てくる。一貫校が進路に有効に機能するとか、有為な人材を輩出する上で他にない魅力を持つとすれば、この地域から人材が流れることもあり得る」とマイナス面の影響に懸念を示した。

 丸山市長はさらに、酒田港のコンテナ貨物急増など地域産業に追い風が吹き人材不足が深刻化する中で、県教委が21年度に酒田光陵高の工業科を1学級減らす方針を打ち出していることにも触れ、「なおのこと、中高一貫校については意識して捉えた面もある。県には、地域づくりや地域全体の教育を考えた対応をお願いしたい」と注文を付けた。

地元としっかり話し合うべき  吉村知事

 吉村美栄子知事は7日の定例記者会見で、2024年度までに庄内地区に開設予定の中高一貫校に関して、「 (開設について)どんな方向で取り組むのか、地元住民の皆さんとしっかりと話し合いながら進めていくべきと思っている」などと答えた。

 記者側からは「今月初めに庄内地区で行われた中高一貫校の説明会で、地元住民から『中高一貫校の意義がよく分からない』『来年1月の地元合意は急ぎ過ぎているのでは』という声が上がった。県はどう対応していくのか」といった質問が出された。

 これに対し吉村知事は「さまざまな事情を考え、県教委で取り組みを進めていると認識している。統合する高校の出身者から『母校がなくなるのではないか』という心配の声も聞こえてくる。しかし人口減少がかなりの速度で進んでいる地域でもあり、どういう方向で取り組んでいくか住民の皆さんとしっかりと話し合いながら進めていくべきと思っている」と答えた。


2017年(平成29年) 11月9日(木)付紙面より

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酒田海上保安部と酒田消防署が連携 海水使った放水訓練展開

 酒田海上保安部(相澤孝典部長)と酒田地区広域行政組合消防署(碇谷清一署長)による連携放水訓練が8日、酒田市の酒田港東埠頭(ふとう)新町岸壁で行われ、海水を使った消火活動を展開する際の連携の在り方を確認し合った。

 この訓練は、震災など大規模災害の発生により、消火栓や貯水タンクなど陸上の消火用設備が損傷したケースを想定し、海保の巡視船艇でくみ上げた海水で消火活動を行う一連の流れの習熟を図るもの。1995年1月の阪神淡路大震災を機に全国各地で同様の訓練が行われており、酒田海保と酒田消防消防署は連絡体制の確立、作業の円滑化を目的に年1回程度、実施している。

 この日は消防署、酒田海保から計33人が参加、巡視艇「べにばな」とポンプ車など3台が出動した。海保と消防で異なるホース結合部を確認した後、「べにばな」でくみ上げた海水をタンクに貯水、消防署員がホースを連結してポンプ車から放水するまでの流れを確認した。

 碇谷消防署長は「何事も訓練しないと本番でできない。万一の事態に備え、相互の連携を深めながら訓練を重ねていきたい」と話した。

訓練を通して連携放水の習熟を図る参加者たち
訓練を通して連携放水の習熟を図る参加者たち



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