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2017年(平成29年) 12月2日(土)付紙面より

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藤沢周平記念館 生誕90年特別企画展始まる

 鶴岡市出身の作家・藤沢周平さん(1927―97年)の生誕90年特別企画展「『半生の記』をたどる」が1日、鶴岡市立藤沢周平記念館で始まった。同市高坂で生まれ育った藤沢さんの故郷や生い立ちから、1973(昭和48)年に「暗殺の年輪」で直木賞を受賞して作家として本格デビューするまでの歩みを、自伝的エッセー「半生の記」を中心に紹介し、「作家藤沢周平」の原点に迫る内容となっている。

 今年1月から11月まで開催した没後20年特別企画展に続くもの。没後20年企画は「藤沢作品の世界」をテーマに、色あせることなく今も読み継がれている作品世界の魅力を伝えた。今回は、幼少期に読んだ本や恩師として藤沢さんを導いた地元の人々との出会いと交わり、山形師範学校(現山形大)時代に乱読した本や文芸活動、療養生活の中での俳誌への投稿、業界新聞社時代の小説投稿など関連資料の展示を通して、作家としての原点を紹介している。

 27(昭和2)年12月26日の誕生から「藤沢周平の育ったところ」「藤沢周平を導いた人びと」「乱読時代と文芸活動」「出発点に立つまで」の4部構成。「半生の記」の自筆原稿や師範学校を卒業し教師として赴任した旧湯田川中学校時代の辞令、生徒と取り組んだ放送劇の台本、業界新聞社時代の履歴書、蔵書など約100点を展示。

 パネルで同市高坂周辺の風景や自然環境、風習などを紹介し、作家藤沢周平を育て感性を育んだ「心の中の原風景」にも迫っている。また、「藤沢周平の読書履歴」と題したパネルで、少年期に触れた雑誌「少年倶楽部」、直木三十五の「南国太平記」などから青年期までの読書歴も紹介している。特別企画展は来年8月28日(火)まで。

藤沢周平さんの歩みをたどり、作家としての原点に迫る生誕90年特別企画展
藤沢周平さんの歩みをたどり、作家としての原点に迫る生誕90年特別企画展


2017年(平成29年) 12月2日(土)付紙面より

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鶴岡市街地「松の勧進」

 出羽三山神社(宮野直生宮司)の「松の勧進」が1日、鶴岡市街地で始まった。朝方は小雪が舞う中、山伏たちがほら貝を吹き鳴らしながら商店街を歩き、城下町・鶴岡に師走の訪れを告げた。

 大みそかから元日にかけて羽黒山頂で行われる「松例祭」(国指定無形民俗文化財)の浄財を集める伝統行事。9月24日から始まり大みそかを満願とする100日間の修行「別火精進」に励んでいる2人の「松聖(まつひじり)」が、小聖と呼ばれる山伏を従えて家々を回り、無病息災や家内安全のお札を配る。同神社のお膝元の羽黒町手向地区では先月15日に始まった。

 今年の松聖は、位上が奥井信雄(山伏名・信満)さん(74)=手向、先途が生田作治(同・清畝)さん(62)=同。一行はこの日、勧進の拠点となる山王日枝神社で祈祷(きとう)した後、午前8時45分すぎに市街地へ出発。松聖は商店街を通って旧庄内藩主酒井家を訪れ、「城下」を勧進するあいさつをし、歴代藩主を祭る荘内神社の拝所を回った。

 この日は朝から雪が舞う中、鳴り響くほら貝の音に行き交うドライバーも目を留め、師走の訪れを実感していた。

 松の勧進は今月いっぱい庄内一円で続く。

朝方は小雪が舞う中、「松例祭」の浄財集めとなる松の勧進がスタート。松聖が小聖の山伏を従えて商店街などを回った=1日午前
朝方は小雪が舞う中、「松例祭」の浄財集めとなる松の勧進がスタート。松聖が小聖の山伏を従えて商店街などを回った=1日午前



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