2017年(平成29年) 3月12日(日)付紙面より
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酒田市は、地元の高校生向けに市内の企業を紹介する冊子「酒田ジョブガイド2017」を作成した。市広報に掲載してきた70社をまとめたもので、地元にも優れた企業がたくさんあることをアピールしている。
若者の地元定着促進に向け2013年度から毎年、市広報で市内企業を紹介した「ものづくり探訪」「おしごと拝見」をまとめ、発行している。今回は前年度版(11年5月号―16年2月号を掲載)に、新たに16年3月号―17年2月号の12社を追加した。
追加された企業は、東北地方に3社しかない証券会社の一つである「荘内証券」、通販の大型家電配送と電気工事を組み合わせたサービスで事業拡大している「トラストシステム物流」、創業100年を誇る県内唯一の花火製造業者「安藤煙火店」、酒田港に水揚げされる船凍イカで刺し身や塩辛を作っている「山形飛鳥」など。
巻頭には、東京と酒田の生活費や住居の比較表を載せた。酒田は、収入は低いが、家賃や物価も安いため、自由に使えるお金はむしろ多くなるという試算。巻末には、本年度に市内の高校生らに実施したアンケート結果として、就職希望者、特に女子はUターン希望が多いなど、実態を紹介した。
A4判、モノクロ、50ページ。2000部を作成。進学者が多い酒田東、酒田西の2高校には3年生向けに既に配布した。就職者が多い他の酒田光陵、酒田南、天真学園、和順館の4高校には4月上旬、新3年生(現2年生)に配布する。
リーマンショックの08年以降、酒田の高校生は県内の他地域に比べ、地元を離れる傾向が強まったが、市や酒田商工会議所などが連携し、この冊子作成や、高校生や保護者を対象にした地元企業見学会など地元定着の対策を強化。ハローワーク酒田管内の高卒者の県内就職率は、14年3月卒58・4%、15年3月卒62・9%、16年3月卒64・3%、17年3月卒(1月末現在)68・1%と年々上昇しており、市商工港湾課では「対策が奏功している」とみている。
2017年(平成29年) 3月12日(日)付紙面より
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東日本大震災から丸6年を迎えた11日、庄内各地で追悼行事が行われた。鶴岡市の鶴岡アートフォーラムでは山形大農学部の学生と市民有志による「6年目のキャンドルナイト」行事が行われ、午前中から親子連れがキャンドル作りに訪れ、震災の記憶を心に刻み復興への願いを込めた。
キャンドルナイトは、仙台市で被災した鶴岡市出身の女性がフェイスブックで発信したメッセージをきっかけに、震災翌年の2012年から「震災を風化させず被災者と思いを共有しよう」と呼び掛け、市民や山形大農学部の学生が実行委員会(実行委員長・菊池俊一山形大農学部准教授)を立ち上げて始まった。6年目を迎え、菊池委員長は「追悼とともに、『あの日』感じたことを自らのこととして捉え、教訓を備えに生かす日に」と思いを話す。
今年も庄内一円の寺院やセレモニーホール、個人から無償提供してもらったろうそくを活用し、ワークショップ用のキャンドルを用意。運営費は市のまちづくり活動補助金や市民からの協賛金で賄っている。
この日午前は、キャンドル作りのワークショップが行われ、家族連れらが足を運んだ。福島市出身で学生代表を務める農学部3年、神田美憂さん(21)から作り方の説明を受けながら、イベント用と持ち帰り用の2個を作った。3人の子どもを連れて訪れた市内の石井真紀さん(37)は「たくさんの方が亡くなって今も一生懸命暮らしているということを子どもたちと話してきた。近くの県でそうしたことがあったことを忘れずにいたい」と話した。
アートフォーラムでは午後2時半から「追悼と備えのつどい」を行い、地震の発生時刻の午後2時46分に黙とう。夜にはワークショップなどで作り上げた約2000個のキャンドルをともし、「キャンドルの夕べ」。
県によると2日現在、庄内では岩手県3人、宮城県59人、福島県306人の計368人が避難生活を送っている。