2017年(平成29年) 6月11日(日)付紙面より
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出羽商工会(上野隆一会長)とベトナム商工会議所(ブー・ティエン・ロック会頭)の業務協力と友好関係に関する覚書(MOU)の締結がこのほど、東京・ホテルニューオータニで行われた。上野会長とロック会頭が互いにサインし、今後、出羽商工会管内の事業所にベトナム実習生を派遣していくことなどを確認した。
鶴岡・酒田両職業安定所管内の有効求人倍率はともに1・5倍を超え、人手不足の状況となっている。こうした背景を受けて今年春、上野会長ら出羽商工会関係者がベトナムを訪問。人や技術、物流の交流を進めていこうと働き掛けた。
締結は今月5日の「ベトナム投資カンファレンス」(ベトナム計画投資省と日本貿易振興機構主催)の席上で行われ、ベトナムのグエン・スアン・フック首相立ち合いの下でサインを交わした。
現在、出羽商工会管内では5つの事業所から合わせて25人前後の「ベトナム実習生を受け入れたい」との意向があるという。
同商工会の田澤宏之事務局長は「ベトナム側にとっても国内の優秀な人材を日本に派遣し、技術や経理、人事管理などを習得させて将来、会社経営を任せられる人材を育てたい思いがある。締結は、こうした双方の思惑が一致して実現した。ベトナムの首相からも心強い声を掛けていただき、大変ありがたく思っている。今後も地域経済の活性化につながるよう一つ一つ物事を具体化していきたい」と話していた。
2017年(平成29年) 6月11日(日)付紙面より
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酒田市の「サイエンス発明教室」が10日、同市の県立酒田光陵高校(鈴木和仁校長)で開かれた。同校教諭・生徒の指導で、市内一円の小・中学生がオリジナルのキーホルダーや携帯用ライト、デジタル時計などを製作し「ものづくり」の楽しさを味わった。
この教室は、クオーツ式腕時計を世界で初めて開発し、日本の精密機械工業の礎を築いた世界的な技術者で酒田市名誉市民の中村恒也さん(長野県諏訪市)が「子どもたちがものづくりに興味を持つような教育に役立ててほしい」と願い、生まれ故郷の酒田に贈った寄付金を基に創設された「中村ものづくり基金」を活用し、2005年から毎年この時期に開催している。
この日は市内の小学4年生から中学生まで計76人が参加。光陵高教諭7人が講師を務めたほか、生徒33人が「お兄ちゃん先生、お姉ちゃん先生」になった。
開講式に続き、▽低融点合金を使ったキーホルダー作り▽LED(発光ダイオード)イルミネーション作り▽3Dプリンターを使ったキーホルダーと携帯用ライト作り▽マグネシウム電池で動かすデジタル時計作り▽オリジナルゲーム制作―の5コースに分かれて実習。「はんだごてはかなり熱くなる。気を付けて作業して」などの注意を受けた後、参加者たちは光陵高生徒たちに助けてもらいながら、配線などに取り組んでいた。
五十嵐琉君(11)=琢成小6年=は「イルミネーション作り」に挑戦。「ものづくりは大好きで、細かい作業も大丈夫。将来は技術者になりたい」と、熱心に指導に聴き入り、次々と作業を進めていた。