2017年(平成29年) 6月24日(土)付紙面より
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日本遺産に認定された鶴岡の絹文化と産業を国内外に発信し交流人口拡大と地域活性化につなげる、鶴岡「サムライゆかりのシルク」推進協議会の設立総会が22日、鶴岡市役所で開かれた。関係する行政や地域、文化や産業の団体が連携し、認定されたストーリーと構成文化財を核にした景観や歴史文化などの情報を幅広く発信し、観光振興を図っていく。
同市の「サムライゆかりのシルク 日本近代化の原風景に出会うまち鶴岡へ」は今年4月28日、文化庁の日本遺産に認定された。旧庄内藩士約3000人が明治維新後、刀を鍬(くわ)に替えて荒野を耕し、日本最大の蚕室群を建設した松ケ岡開墾場が、ストーリーの中核を成し、この蚕室群をきっかけに国内最北限の絹産地として発達し、現在も養蚕から絹織物まで一貫した工程が残る国内唯一の地域といった点が評価された。
推進協議会は▽市▽市教委▽鶴岡商工会議所▽出羽商工会▽鶴岡織物工業協同組合▽市観光連盟▽市文化財保護審議会▽致道博物館▽克念社▽松ケ岡開墾場▽市金融協会―の11団体で構成。このほか認定されたストーリーに関わる鶴岡シルク、JR鶴岡駅、庄交コーポレーションなどが幹事的な形で加わり、県庄内総合支庁長がオブザーバーとなる。榎本政規市長が会長に就いた。
設立総会には事務局の市側を含め約30人が出席。榎本市長は「認定を受け、どのようにして観光振興、地域活性化に結び付けていくか。この日がスタートだ。庄内地域には出羽三山と酒田を中心にした北前船寄港地を合わせ3つの日本遺産があり、この優位性を生かし、市民と関係者が一体となって交流人口の拡大に取り組んでいきたい」とあいさつした。
出席者からは「松ケ岡開墾場は訪れる人たちから癒やしの観光地と言われている。景観を含め、その良さをなくさないでほしい」「シルクロードの北限として世界を意識して活動するべき」「繊維のくくりでは関川のしな織、スパイバーの人工合成クモ糸もある。日本一の日本遺産を目指し、誇りを持って世界に紹介していこう」「地域内の2次交通の整備を進める必要がある」といった意見が出された。
今後、文化庁と市の補助金を活用し、日本遺産紹介番組向けの映像制作、歓迎誘導看板整備、住民向け啓発冊子や観光客向けリーフレットの作成、ガイド養成、旅行商品造成に向けた地域資源潜在力調査、松ケ岡開墾場へのインフォメーション機能整備などを予定。
2017年(平成29年) 6月24日(土)付紙面より
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鶴岡市立湯野浜小学校(宮島昭子校長、児童118人)の「砂の造形大会」が23日、同校裏の湯野浜海水浴場で行われた。児童たちが班ごとに海賊船やイルカなど思い思いの砂のアートを作り上げた。
庄内浜がすぐそばにある同校の伝統行事。子どもたちが地域の自然環境に親しむとともに創造する喜びを体験してもらおうと毎年この時期に実施している。今回で40回目。
この日は全校児童が縦割り班の4グループに分かれ、「サメの海賊船」「イルカ」「滑っているペンギン」「ラッコ」をそれぞれ作った。児童たちは、地元業者が事前に作った砂山をシャベルやスコップを使って形を整え、完成が近づいた頃、のりを溶いた水を掛けて砂を固めた。
各班の班長や上級生は「そっち側、もっと形を整えて!」「水をもっと掛けて」と下級生に指示を出し、協力して完成させた。サメの海賊船を作っていた児童たちはサメの表情作りに苦戦。「カバに見える」「もっとシュッとさせなきゃ」と意見を出し合っていた。
ペンギンを制作した6年生の高杉隼都(はやと)君(12)は「みんなで協力して作ることができた。うまくできるように班のみんなを見るのは大変だったけど、満足のいく作品ができて楽しかった」と笑顔を見せた。砂のアートは週末の土日、湯野浜海岸で見られるという。