2017年(平成29年) 6月25日(日)付紙面より
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日本で唯一ユネスコ食文化創造都市に認定されている鶴岡市の豊かな食と食文化を発信する拠点施設「つるおか食文化市場FOODEVER(フーデェヴァー)」が24日、JR鶴岡駅前のマリカ東館1階にプレオープンした。地元産の食材を生かしたイタリア料理や日本料理、魚や肉料理を楽しめる飲食店や、在来作物や野菜、鮮魚の産直、新開発商品、漬物、国内外の調味料などを販売する「マルシェ(市場)」が開業。県内外から大勢の来場があり、関心の高さをうかがわせた。7月1日(土)に市観光案内所が開設され、グランドオープンする。
市とFOODEVERを運営する会社「Fu―Do(ふうど)」が整備した。経済産業省の補助金を活用し、改修などの総事業費約2億5000万円。広さは約1500平方メートル。
「食の都庄内」親善大使でイタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」オーナーシェフの奥田政行さんのレストラン「ファリナモーレ」、同じく親善大使の日本料理研究家の土岐正富さんが総料理長を務める「つるおか旬暦 彩鶴」をメーンに、肉、魚、そば、日本酒、ワインのフードコート形式の「鶴岡バル」がある。このほか、キッチンを備えたイベントスペース、観光や食文化の情報発信ブース、免税カウンターなどを備え、鶴岡の食文化と観光を国内外に発信する。
プレオープンの記者発表には県内外のメディアが出席。施設を案内した奥田シェフは「ファリナモーレはイタリア語の造語で粉を愛するという意味。パスタはいろんな食材を生かすことができ、日清製粉の協賛で粉を通じた新しい食の魅力を伝えたい」、土岐総料理長は「生産者と一緒になって、自然に恵まれた鶴岡の四季折々の旬の食材を三段重で提供する。だだちゃ豆で作ったとろろご飯を、ぜひ食べてほしい」とそれぞれ紹介した。この日は奥田シェフらによる料理セミナーも行われた。
Fu―Doは初年度の来場者50―70万人、全体の売上高3億5000万円程度を見込んでいる。
2017年(平成29年) 6月25日(日)付紙面より
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「庄内浜文化伝道師協会」(石塚亮会長)の総会が23日、酒田市のホテルリッチ&ガーデン酒田で開かれた。伝道師たちが地域でより自主的に活動できるように、地域でリーダーとなる「伝道師リーダー」を新たに任命したほか、今秋には4年ぶりに庄内浜文化伝道師の認定試験を実施するなど、本年度事業計画を決めた。
庄内浜文化伝道師は、県庄内総合支庁が2007年度に始めた制度。庄内浜の魚介類や料理方法、浜文化に精通した人を県知事名で認定し、地域での料理教室などを通じ、地魚の消費拡大や魚食文化の普及を推進するもので、これまで245人を認定。10年11月には協会を設立し、伝道師が連携を図っている。隔年開催の総会には伝道師30人と県、沿岸市町の関係者ら計約50人が出席した。
伝道師リーダーは、地域やグループでリーダーとなる伝道師を会長が任命するもの。リーダーが窓口となって市町村と交渉し、市町村主催の魚食普及イベントを増やすなど、伝道師が地域で自主的に動きやすい体制をつくる狙い。初代リーダーとして7人が選ばれ、この日、石塚会長から任命書を渡された。
一方、伝道師の認定試験はこれまで、07―09、11―13年度の計6回実施し、その後は実施していない。活動している伝道師が固定化しつつある課題も見えてきたため、新たな仲間を増やそうと、4年ぶりに再開する。9、10月ごろに試験(1次の筆記と2次の実技)を実施し、10―15人程度を認定する予定。
石塚会長は総会の中で「私たち伝道師は本県の財産。協会が独り歩きできるよう、伝道師を県民に知ってもらい、市町村にもっと活用してほしい」と、今後の活動への思いを述べた。
協会の活動経費は現在、県が負担しているが、将来は自立的な活動に移行したい考え。また、活動していない人を振り分けるため、伝道師を「2年ごとの更新」制度にする計画も出ており、早ければ今年12月にも初回の更新手続きを行う方針。
任期(2年)満了に伴う役員改選で、石塚会長(坂本屋主人)と渡部孝太郎副会長(県調理師調桜会長)の再任などを決めた。
この日任命された伝道師リーダーは次の通り。
相田満春(鶴岡市、山形丸魚)阿部幸雄(同、料理人)五十嵐安治(同、共立社)石寺憲和(酒田市、井筒)板坂竜彦(山形市、まわる鮨太助)佐藤憲三(遊佐町、NPO法人食の玉手箱)須田剛史(酒田市、沖海月)