2017年(平成29年) 8月25日(金)付紙面より
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サクラマスが遡上(そじょう)する環境を整えようと、鶴岡市黒川の赤川右岸側の支流、田沢川で24日、魚のすみかや餌場となる「石倉カゴ」の設置作業が行われた。ワイヤの籠に川石を詰めたもので、護岸沿いに10基の石倉を設置。今後生息調査を続けていく。
赤川は天然サクラマスが遡上する川として知られ、河口から22キロの田沢川にも毎年遡上が見られたが、河川改修や護岸化が進み、魚類に好適な生息場が減ってきている。今回は、全国内水面漁業協同組合連合会、県内水面漁業協同組合連合が水産庁のウナギ生息環境改善支援事業として全国各地で石倉カゴを設置しモニタリングしている改善支援事業の一環で、赤川漁業協同組合(黒井晃組合長)がサクラマスにも応用して実施。全国で8カ所、計70基を設置するもので、県内では唯一。事業費は約240万円。
この日は午前8時半ごろから作業を開始。縦横各1メートル、幅50センチの直方体のネットに20―40センチ程度の石が入った石倉(重さ約700―800キロ)を重機でつり上げ、護岸沿いに設置していった。川辺にはハグロトンボが飛び交う環境で、設置作業終了後はサクラマスの稚魚5000匹を放流した。
県内水面漁業協同組合連合会の大井明彦参事は「かつては大鳥までサクラマスが遡上したという。護岸工事は人間の生活を守るために大切だが、魚の生息場としては好適でない。石倉カゴの設置によってサクラマスが遡上する環境を整えたい」と話していた。
2017年(平成29年) 8月25日(金)付紙面より
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観光ツアー商品造成に向け、タイの旅行エージェント一行8人が23日、庄内地域入り。27日(日)までの4泊5日の日程で酒田、鶴岡両市などの観光施設を見学し旅行商品造成の可能性を探る。一行は初日午後、酒田市の酒田港で海を見ながら海鮮バーベキューを味わったほか、本間家旧本邸、山居倉庫などを回った。
庄内空港発着の東京便を活用した旅行商品造成を目的に、県庄内総合支庁が観光庁「東北観光復興対策交付金事業」を活用し企画したファムトリップ(業者らを招いた下見旅行)。一行は旅行エージェント6社の会長、社長ら幹部計8人で、商品造成に関して決定権がある人ばかりという。タイ人の誘客に力を入れている「みちのくインバウンド推進協議会」(熊谷芳則理事長、事務局・ホテルリッチ&ガーデン酒田)が日程などをコーディネートした。
一行は初日、東京発全日空第2便(395便)で庄内入りした後、バスで酒田港へ。あいにくの降雨の中、県漁業協同組合女性部のお母さんたちが炭火で焼いたメバルやイカ、エビ、サザエ、パプリカなどや、その場でさばいたタイの刺し身を昼食として味わい、「アロイ(おいしい)」と声を上げていた。
一行は同日、同市のホテルリッチ&ガーデン酒田に宿泊し、縁日風の屋台を体験。滞在中、同市の相馬樓、鶴岡市の荘内神社、加茂水族館などを見学するほか、26日(土)午後には酒田市の東北公益文科大学を会場に同協議会員との懇談会に臨む。熊谷理事長は「他ではできない体験をしてもらい、ぜひ旅行商品を造成してもらいたい」と話した。