2017年(平成29年) 8月6日(日)付紙面より
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鶴岡市教育委員会は、小中学校のクラスで気になる子どもの対応など教職員のスキルアップを目的に独自に特別支援教育講座を開講している。年間全6回開催する講座で一定の単位を取得すると修了証がもらえる仕組みで、全教職員を対象にこうした講座を開設しているのは全国的に珍しいという。2―4日の3日間は夏季休業を利用した集中講座が開かれ、3日間に延べ254人が受講した。
同市では特別支援教育が学校教育法に位置付けられた2007年度から特別支援教育の中核となるコーディネーターの育成講座を開催。13年度からは管理職を含め全教職員を対象にした受講制の特別支援教育講座を開催。07年度から市教委の特別支援教育に携わっている山形大大学院教職大学院の三浦光哉教授(特別支援教育分野)は「こうした取り組みは全国にも他にない」と話す。
本年度も5月の第1回を皮切りに、夏季の集中講座3回、10月、来年1月の全6回の講座を設定。三浦教授をはじめ県立こころの医療センターの臨床心理士、医師、専門講師らの講師陣をそろえ、ベーシック、初級、中級の各講座を設定し、6回全て受講し単位を取得すると加藤忍教育長名の修了証を発行。受講できない場合は年度をまたいでの単位取得を認めるなど多忙な教員に柔軟に対応している。
夏季集中講座の最終日となった4日は、同市の羽黒コミュニティセンターを会場に最上地域の教職員と合わせ約120人が受講。このうち三浦教授の「不登校への具体的な対応」と題した講座では、不登校の定義が年間30日以上欠席となっていることを示し、「不登校が多いのは担任が初期段階で気付かないから。前兆で気付くか、気付かないかは大きい」と教員への自覚を促した。講座の後半では不登校への対応の一つとして、本人が参加しての不登校改善会議のシミュレーションをグループで体験した。
市教委では「子どもたちへの理解を深め、適切な支援ができる教員を増やし、学級運営の向上につなげていきたい」と話している。
2017年(平成29年) 8月6日(日)付紙面より
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鶴岡市内で生産された葉唐辛子を原料に東京・日本橋の老舗「日本橋鮒佐(ふなさ)」が加工した「江戸前佃煮葉唐辛子」を、JR鶴岡駅前にオープンした食文化情報発信施設「フーデェヴァー」で取り扱いを始め、初めて地元でも購入できるようになった。地元の関係者は「甘じょっぱい味の後につんと辛味がくる逸品。地元の方にも食べてほしい」と話している。
日本橋鮒佐は文久2(1862)年、日本橋で創業した老舗で、初代が漁師料理にヒントを得て作ったというつくだ煮屋の元祖。「江戸・東京で3代、100年以上、同業で継続し現在も盛業」という条件を満たす50軒余の老舗でつくる「東都のれん会」の加盟店の一つで、フーデェヴァーの運営会社「Fu―Do(ふうど)」(丸山典由喜社長)が東都のれん会を昨年、鶴岡に招くなど連携を深めてきたことから実現した。
原料の葉唐辛子は、「庄内・まいふぁーむ合同会社」(鶴岡市神明町、斎藤真代表社員)が鶴岡地域で栽培。もともと青唐辛子を産直などに出荷していたのを、国産葉唐辛子を求めていた日本橋鮒佐からの要望で葉を活用。摘んだ葉を塩もみと湯がきして、水にさらしてから細かく刻んでつくだ煮にした。
これまで都内の百貨店などで販売され、評判も上々だったが、庄内では取り扱っていなかった。今回、F社が直営するフーデェヴァーの駅前マルシェコーナーで東都のれん会の商品も販売。鶴岡産葉唐辛子を使った「江戸前佃煮葉唐辛子」も商品として並んでいる。
葉唐辛子を生産している斎藤代表社員(46)は「ご飯のお供にぴったり。まだ地元では知られていないのでたくさんの方に食べてほしい」と話している。F社の丸山社長は「東都のれん会とのコラボ商品の第1弾。今後も鶴岡の産品を使った商品開発を進めたい」としている。
「江戸前佃煮葉唐辛子」は税込み378円。