2024年11月28日 木曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2017年(平成29年) 8月9日(水)付紙面より

ツイート

国指定重要文化財「旧鶴岡警察署庁舎」 創建当時の水色に

 鶴岡市の致道博物館(酒井忠久館長)にある国指定重要文化財「旧鶴岡警察署庁舎」の保存修理工事現場で7日、報道関係者向け説明会が行われ、明治の創建当時と同じ鮮やかな水色に塗られた外壁が初めて公開された。建物全体の素屋根とネット状の覆いは早ければ今月下旬から取り外しが始まり、市民が慣れ親しんだ工事前の白色の外壁とは異なる約130年前の「水色の擬洋風建築の警察署」の姿が間もなくお披露目される。

 旧鶴岡警察署庁舎は1884(明治17)年、現在の鶴岡市役所の南東角(旧東庁舎)に建てられた。同博物館の敷地内に移設された旧西田川郡役所(国指定重要文化財)を建築した高橋兼吉棟梁(とうりょう)が設計。初代山形県令・三島通庸が明治新政府の威容を示すために建築したといわれる。1957(昭和32)年に現在地に移築され、2009年12月に国の重文に指定された。

 県内の明治初期の擬洋風建築を代表する建造物の一つ。木造2階建てで、2階正面の中央には突出したベランダが設けられ、外部の窓回りなどはルネサンス様式を模しているが、屋根の破風妻飾りなど在来様式も取り入れ、和洋の要素を巧みに融合させている。建物の傷みが目立つなど老朽化してきたため、同博物館が13年度から国や県、市の助成と一般からの募金で、解体を伴う保存修理を進めている。

 工事は現在、終盤に入っており、外壁の塗装と内部の左官などが行われている。外壁の色は、工事に合わせて実施された調査で、明治の創建時は水色だったことが分かり、文化庁と協議し内部の構造とともに創建時の姿に戻すことにした。

 工事の完了は18年6月を予定していたが、解体後の組み立て作業が順調に進み、今年12月に早まる見通しとなった。これに伴い、総事業費は当初より500万円減の5億500万円となる。建物を所有する致道博物館は、来年中の内部の一般公開を予定している。

外壁が約130年前の創建当時の鮮やかな水色に塗り替えられた旧鶴岡警察署庁舎=7日
外壁が約130年前の創建当時の鮮やかな水色に塗り替えられた旧鶴岡警察署庁舎=7日

2階上部でしっくい塗りを行う作業員。年内の完成に向け保存修理工事は最終段階に入っている
2階上部でしっくい塗りを行う作業員。年内の完成に向け保存修理工事は最終段階に入っている


2017年(平成29年) 8月9日(水)付紙面より

ツイート

新たなインバウンドツアー創出へ

 昭和女子大(東京都世田谷区)の学生がインバウンドツアーの創出に向けて鶴岡の食文化体験に理解を深めるインターンシッププロジェクトが、9日まで2泊3日の日程で鶴岡市内で行われ、在来作物などに理解を深めている。

 「プロジェクト型協働インターンシッププログラム」として、鶴岡市をフィールドに昨年度から3カ年事業として実施。体験を通し、学生の視点から見た新しいインバウンドツアーの創出を目指し、本年度は継続している学生を含め学生5人、イタリアからの留学生1人が参加。4月から来年2月にかけて全6回の日程で鶴岡を訪れ、食や行事、歴史などに理解を深める。

 本年度3回目の来鶴となる今回は、同プログラム担当の同大地域連携センター所長の志摩園子人間社会学部長と共に7日から2泊3日の日程で訪問。初日の7日は、午後から同市大山一丁目の漬物会社「本長」で工場見学や今月が最盛期の在来作物「民田ナス」の浅漬け作りを体験。1人ずつ民田ナス300グラムをナス漬けの素を使って2分ぐらい手でよくもみ、他の調味料を加えて漬けた。既に漬けた民田ナスと、一般的な沖田ナスを食べ比べると、「みずみずしくておいしい」「皮が薄く実がパンパン」などと民田ナスの特徴に触れていた。

 メンバーの1人、大学2年の山下茉美さん(19)は「鶴岡は初めて。栄養士の養成コースで勉強してきたが、実際の1次産業を学べる機会。地元の方がすごく親切に教えてくれて楽しい」と話していた。

 今後、由良でカキの加工体験やところてん作り、だだちゃ豆の収穫体験などを行う。インバウンドツアーは来年度に実施する計画。

旬を迎えた「民田ナス」を使って浅漬け作りを体験する昭和女子大の学生ら=7日、鶴岡市大山の「本長」
旬を迎えた「民田ナス」を使って浅漬け作りを体験する昭和女子大の学生ら=7日、鶴岡市大山の「本長」



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

  ■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field