2018年(平成30年) 4月20日(金)付紙面より
ツイート
酒田港メガソーラーパーク合同会社が、酒田市宮海で建設していた太陽光発電所「酒田港メガソーラーパーク」が完成し18日、現地で竣工(しゅんこう)式が行われた。既設のものを含む設備容量2万8531キロワット(28・531メガワット)は県内最大規模で、全発電量を固定価格買取制度で東北電力に売電していく。
合同会社はジャパン・リニューアブル・エナジー(JRE、東京都、竹内一弘社長)と酒田港リサイクル産業センター(SRC、酒田市、林浩一郎社長)が共同出資した合弁事業体。SRCが2013年9月から宮海の住軽アルミウム工業跡地(新日鐵住金所有)で運営している太陽光発電所(設備容量約1・2メガワット)を南側に拡充する形で、昨年2月に着工していた。
敷地面積は東京ドーム約9個分の41万8000平方メートル(うちSRCの既存部分は約1万7000平方メートル)、太陽光発電パネル枚数は16万3680枚(同7520枚)、年間発電量3027万キロワット時は一般世帯約8400世帯分(酒田市の総世帯数の約20%)に相当、年間1万6497トンの二酸化炭素排出削減効果があるという。今年2月1日から稼働、売電している。
JREは全国で風力、太陽光を中心に再生可能エネルギー事業を展開し、酒田港では旧サミットウインドパワー社が通称・水路周辺に設置した風力発電(出力2000キロワット8基)を取得しており、同社の太陽光発電所は33カ所目となる。
竣工式には関連企業や県、酒田市、地権者ら約60人が出席。神事で順調な稼働を願った後、SRCの林社長は「リサイクル関連事業を通じ地域の発展に寄与する初心を忘れずに頑張る」、JREの竹内社長は「酒田港は既存の火力のほか、風力、バイオマス、太陽光の再生可能エネルギーが集約され、新たなエネルギー産業のランドマークになる。誠心誠意運営し、地域の発展に寄与したい」とあいさつした。
2018年(平成30年) 4月20日(金)付紙面より
ツイート
さまざまな分野のリーダーが特別講義を行う酒田市の東北公益文科大(吉村昇学長)「トップセミナー」が18日、開講。初講では元駐米大使の藤崎一郎さんが今後の米朝関係などについて学生たちに語った。
トップセミナーは2―4年生が対象の選択科目。将来の社会人・職業人の育成を図るため、各界のリーダーからその人生、活動内容、思いなどを聞き、知識の習得はもとより視野を広げて向上心を高めることを目的にしている。授業時間が前年度までの90分から105分に変更となった本年度は「a」が6月6日(水)、「b」が7月25日(水)までそれぞれ7回シリーズ。
講義を行った藤崎さんは2008―12年に駐米大使を歴任。外務省退官後は日米協会長など数々の要職を務める傍ら、上智大、慶應義塾大、筑波大などで教壇に立つほか、学校法人「北鎌倉女子学園」理事長も務めている。
この日は履修生の他、一般学生も含め計約50人が聴講した。最初に高橋英彦公益大名誉教授が「これからの人生を考えるきっかけにしてほしい」とあいさつ。藤崎さんは冒頭、開催が予定されている米朝首脳会談に触れて「米朝の関係はどちらが臆病かを測りみる『チキンゲーム』で、北朝鮮がそのゲームから降りた」と話し、「先の大戦から70年余がたったがこの間、米国は朝鮮戦争やベトナム戦争、湾岸戦争などおよそ半分は戦争をしている。米国に『戦争をするぞ』と言われたら、やはり怖いもの」と述べた。
ドナルド・トランプ大統領に関し「『Me first(自分が大事)』な人で、米朝首脳会談という歴史に残るようなことをやりたがっている」と紹介。トランプ大統領と金正恩朝鮮労働党委員長が会談した場合に「怖いこと」として▽2人の馬が合うこと▽トランプ大統領に見下されて金委員長が怒ること―の2つを挙げた。
この他、現在の中国や米国、学びの進め方についても解説。学生たちはメモを取りながら熱心に聴講していた。
公益大によると、トップセミナーでは今後、上野隆一ウエノ社長(公益大後援会長)、栗谷義樹山形県・酒田市病院機構理事長、山本四郎講道館指導部管理室参与、一力雅彦河北新報社社長らが教壇に立つという。