2018年(平成30年) 6月16日(土)付紙面より
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鶴岡市の致道博物館で保存修理が行われていた旧鶴岡警察署庁舎(国指定重要文化財)の工事が完了し、14日、現地で竣工(しゅんこう)記念式典が行われた。水色の外壁や取調室が復元され、創建当初の姿がよみがえった。15日から一般公開している。
旧鶴岡警察署庁舎は1884(明治17)年、同市馬場町に建設。初代県令・三島通庸が明治新政府の威容を示すため建築したといわれる。1957(昭和32)年、同博物館内に移築復元され、2009年に国の重文に指定された。
保存修理工事は老朽化が進み、地盤の浮沈で建物自体が傾くなどしていたことから13年11月に始まった。木造2階建てで延べ床面積約381平方メートル。修復作業で柱の痕跡などから当時の間取りが分かり、再現。1階に署長室や取調室など7部屋、2階は事務室と会議室の2部屋がある。総事業費は約5億500万円。
式典には国、県、市の関係者ら100人余りが出席。テープカットを行った後、内部を見学した。酒井忠久館長は「庄内のランドマークとして後世に伝え、保存・活用していきたい」とあいさつした。
同日、東京第一ホテル鶴岡で開かれた祝賀会には関係者約300人が出席。来賓の文化庁文化財部の豊城浩行文化財鑑査官が「守り伝えてきた人と修理に携わった人と技術に思いをはせてほしい。歴史と文化を生かして地元の人が誇れるまちになることを祈念する」と祝辞を述べ、竣工を祝った。