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2019年(平成31年) 1月20日(日)付紙面より

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ユーモア交え体験談披露

 鶴岡市の市民有志で結成した「本のチカラ委員会」(代表・小林達夫らくがき倶楽部代表)が主催した作家・椎名誠さんの講演会が18日、同市のマリカ市民ホールで開かれ、椎名さんが世界各地を訪れた探検、冒険の体験談を語った。

 「本の夢 本のちから」と題した講演で、椎名さんは「幼い頃から兄や姉が本を読んでいる姿を見ていて、自然と本を読むようになった。ほとんどはタイトルに引かれて読んでいた」と話し、スウェーデンの学者・探検家のヘディンが中央アジアの幻の湖といわれるロプノールを書いた「さまよえる湖」に小学生時代に触れ、探検に強い興味と憧れを抱くようになったと語った。

 ロプノールや楼蘭を含むシルクロードの探検、シベリアやモンゴル、南米大陸南端のパタゴニア、アマゾンなど世界各地の辺境の探検について、現地の人々に薦められて食べた毒ヘビやワニ、イモムシ、アザラシ、アリなどの食体験も含めユーモアを交えて紹介。「本には夢があり、物事を考える上で知識や知恵となって力となり、いつしか夢がかなうようになる」と話した。

 また、ラーメンが好きで世界各地で食べた体験談も披歴し、「酒田には5回来ているが、酒田のワンタンメンは世界一うまい」と絶賛した。

 本のチカラ委員会は「本と親しむまちおこし」を目的に、「本を読む・創る・売る」に関わる書店組合や文芸団体、読書にちなんだ活動を展開している有志で、昨年結成。椎名さんの講演会は発会を兼ねたキックオフイベントとして企画し、終了後は椎名さんのサイン会も行われた。併せて「本のチカラ」をテーマにした川柳を募集し、全国から寄せられた94作品から、椎名さんらが選考した3点を入選、2点を佳作に選んで講演会の席上、発表した。入選の3人には椎名さんのサイン入り本が贈られる。

「本の夢 本のちから」と題して講演した椎名さん
「本の夢 本のちから」と題して講演した椎名さん


2019年(平成31年) 1月20日(日)付紙面より

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こんがり豆腐焼き

 鶴岡市黒川地区で19、20の両日、春日神社の例祭「王祇祭」(2月1、2日)で振る舞われる凍(し)み豆腐料理の仕込み作業「豆腐焼き」が行われている。上座、下座それぞれの住民たちが協力し合い、豆腐をこんがりと焼き上げている。

 王祇祭では上座・下座の両当屋や春日神社で黒川能(国指定重要無形民俗文化財)が奉納上演される。凍み豆腐料理は各当屋で、幕あいなどに振る舞われる祭りの名物。今年の当屋は上座が渡部俊美さん(79)=上の山、屋号・仁兵衛、下座は秋山武弥さん(75)=小在家、屋号・四五右衛門。

 このうち下座の秋山さん方では、敷地内に特設した小屋に縦約5メートル、横1・8メートルほどの、おからと木枠で作った大きないろりが設けられた。19日は朝から地区民30人余が入れ替わりながら作業。まきが次々とくべられ燃え盛るいろりの土手を、串に刺した豆腐と地区民がずらりと囲んだ。

 目の前の炎の熱さから顔を守る段ボールと竹ざおを手に、焼き加減を互いに指示し合いながら次々と焼き上げていた。お神酒を酌みながら「うめちゃ、熱っちぇちゃ、煙てっちゃ」「ほろけるな、そごの2本いいあんべだ」などと方言と笑い声が飛び交い、伝統行事で絆を深めていた。2日間で約5000本の豆腐を焼くという。

まきが燃え盛る大きないろりを囲んで伝統の「豆腐焼き」が行われた=19日、下座の秋山さん方
まきが燃え盛る大きないろりを囲んで伝統の「豆腐焼き」が行われた=19日、下座の秋山さん方



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