2024年12月2日 月曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2019年(令和1年) 11月13日(水)付紙面より

ツイート

庄内産小麦のブランド化へ 地産・地消推進狙いに勉強会

 庄内産小麦に関する勉強会が11日、酒田市のマリーン5清水屋で開かれ、庄内地方のラーメン店主や製菓、製パン業者らが、山形大農学部(鶴岡市)が庄内で進める小麦の試験栽培に関する報告やラーメンの試食などを通じ、庄内産小麦の可能性を学んだ。

 主催したのは、酒田市内のラーメン店主でつくる「酒田のラーメンを考える会」。同会では「自家製麺率は日本一」と自負し、原料にもこだわって商品提供する中、山形大農学部が小麦の試験栽培に取り組んでいることを知り、地元での生産・消費を推進することが狙い。地元の農家や行政関係者を含め約100人が参加した。

 初めに山形大農学部の浦川修司教授が、休耕田を畑地化して食料自給圏をつくる「庄内スマート・テロワール」構想について解説した。わが国の食料自給率が40%を切る中、小麦は国内消費量の約3%しか国内で生産されていない状況を指摘。連作障害を避けるため大豆、ジャガイモなどと輪作することで土づくりや耕畜連携などの相乗効果も狙えることを示し、「庄内で小麦を中心にした畑輪作体系の確立を」と呼び掛けた。

 引き続き同学部の中坪あゆみ助教が同構想の一環で2017年から取り組む「庄内小麦プロジェクト」について解説。庄内地方の年間の小麦消費額は推定約47億円だが、本県の小麦作付けは東北6県で最低の約70ヘクタール、生産は約200トンという。収穫時期が6―7月とサクランボの収穫や梅雨に重なるため、避けられてきた背景があるという。プロジェクトでは17年から鶴岡市高坂の農学部農場で試験栽培を始め、18年からは同市羽黒町、東堀越の農家2戸に委託し計約1・2ヘクタール、今年は約3ヘクタールで5トン、来年は10トン程度の収穫を見込むという。「23年までに県内で製粉できる100トン程度に増やしたい。当面は品種が限られるので、特性を楽しむ意識で消費拡大を」と呼び掛けた。

 同プロジェクトで月山高原などで栽培している鶴岡市東堀越の農業、叶野幸喜さん(39)は「庄内で小麦の可能性はある。特に高原は土地の条件が北海道に近く、良いものができる」、酒田のラーメンを考える会の齋藤直代表(48)=満月代表=は「庄内産小麦をブランド化して地域の活性化につなげたい。生産量が増えれば、価格も下がる。他の業者と一緒に生産増を後押ししたい」と話した。

 勉強会に先立ち、日清製粉(東京都)の関係者が小麦の種類や特性などについて講演。さらに庄内産小麦「ゆきちから」などを使ったラーメンを試食した。

庄内産小麦「ゆきちから」などを使ったラーメンを試食する参加者たち
庄内産小麦「ゆきちから」などを使ったラーメンを試食する参加者たち



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

  ■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field