2019年(令和1年) 11月13日(水)付紙面より
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全国のブランド米産地の生産者などが一堂に会し情報交換などを行う「全国ブランド米産地生産者交流大会in山形」が11日、山形市内で開かれた。本県を含め15道県から21品種の米の生産者が参加し、基調講演やグループディスカッションなどを通してネットワーク形成や生産技術の向上を図った。
近年、全国の主要な米産地から新品種のデビューが相次いでおり、それぞれの品種の特性を生かしたブランド戦略が進められている。そうした中、全国の米産地の生産者が多様な取り組みやこだわりのある技術などについて情報交換を図ろうと、今回初めて開催された。本県の「つや姫マイスター」を中心とした生産者たちが実行委員会(土屋喜久夫委員長)を組織し主催。事務局は県の山形「つや姫」「雪若丸」ブランド化戦略推進本部が務めた。
大会には全国の生産者や産地の市町村担当者、JA関係者など約500人が参加。土屋委員長や若松正俊副知事のあいさつの後、大会実行委員会副委員長の鈴木仁さん(鶴岡市)が全国のブランド米ののぼりに囲まれながら「全国の生産者と交流を深め、さらに技術を磨き安全で品質の高い、心のこもったおいしい米を消費者に届ける」と大会宣言を発表した。
続いて基調講演が行われ、新潟薬科大の大坪研一教授が「おいしい米のメカニズムを探る」、月刊食糧ジャーナルの鶴田裕編集部長が「これからの米産地とブランド米が果たす役割」の演題でそれぞれ講演。このうち大坪教授は米の食味評価について「評価方法は大きく分けて官能検査(食味試験)と理化学的測定の2つ。前者はうまい、まずいという総合的な評価に加え、味や香りなど多面的な評価が得られる一方、多くの試料や労力、時間がかかる。また、審査する人の嗜好(しこう)や出身地域の影響を受けやすい。後者は米の成分や米飯の物理的特性などを客観的に測定できるが、外観や味、特性など単一項目の評価となりがちで多面的な評価は難しい」と紹介した。
このほか栽培技術や各産地の取り組み、ブランド戦略などに関するグループディスカッションや、本県のつや姫や雪若丸、はえぬきなどの銘柄を当てる「利き飯チャレンジ」、全国各地のブランド米試食コーナーなどが設けられた。12日は内陸方面の穀物乾燥調製施設製造メーカーや酒蔵などの現地視察が行われた。