2019年(令和1年) 11月14日(木)付紙面より
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酒田まつり(本まつり5月20日)の「酒田花魁(おいらん)道中」を支援していくための「酒田花魁文化伝承の会」が11日、酒田市の「酒田夢の倶楽」で設立総会を開き、発足した。来年の同まつりで花魁を務める東北公益文科大2年、田中千晶さん(19)の花魁姿がお披露目された。
花魁道中は、かつて北前船によって花柳界が栄えた酒田の歴史・文化を伝えていこうと、市内の美容師らが2015年、酒田花魁道中実行委員会を立ち上げ、16年から酒田まつりで披露。実行委は現在、「酒田花魁会」として活動を続けている。衣装代やクリーニング代、モデルへの謝礼など一定の経費が掛かることや、若手美容師への技術継承など教育が必要で、継続的な支援が不可欠という。
伝承の会はそうした実態を踏まえ、酒田花魁会を支援する会として発足。酒田の歴史・文化の発信によって酒田のにぎわい創出に貢献しようと、年会費(1口1万円)や寄付金などを財源に、資金面を中心に支援していく。
この日は、酒田花魁会のメンバーや賛同する市内の経済人ら約50人が出席。事務局を第三セクター「酒田まちづくり開発」(中町一丁目)内に置くことなどを定めた会則を承認し、会長には仮設機材工業社長の西村修氏を選任。西村氏は就任あいさつで「酒田のにぎわいに向け、一生懸命に頑張る」と決意を述べた。
総会終了後は、公募で来年の花魁役に選ばれた田中さんが初めて花魁姿を披露。会場内を歩くと、参加者は「きれい」と盛んにカメラのシャッターを切った。
田中さんは「友人から『めったにできないこと』と薦められた。華やかなだけでなく、女性にとってはつらい歴史を含むもの。そういうことを含め、地元の歴史・文化への関心が高まった。本番でもいろんな人に興味を持ってもらえたら」と話した。