2019年(令和1年) 11月15日(金)付紙面より
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水産加工販売に向けたサポート研修会が12日、鶴岡市加茂の県水産試験場・おいしい魚加工支援ラボで行われた。県が主催したもので、県漁協女性部の会員ら30人が参加した。
浜の女性による加工品の商品開発、販売力強化に向けたもので、遊佐町吹浦から1ハタハタ佃煮(つくだに)2小鯛(こだい)佃煮、温海から3魚ハンバーグ(ホッケ利用)が新商品候補として出品され、庄内浜文化伝道師の男性4人によって「売れるかどうか」審査された。
最初からハタハタ佃煮で議論が活発化。味が「しょっぱ過ぎる」と多数意見を占めた味付けから始まって、「佃煮にすると煮崩れして、ハタハタかどうか分からなくなる。形をとどめる商品としては空揚げが良いのでは」(ト一屋・佐藤善友さん)、「白いトレーに置くのは味気ない。今はカラフルなトレーがある。そのあたりから工夫してほしい」(山形丸魚・秋山好輝さん)などアドバイスが送られた。またハタハタは来春まで捕れるが白子、卵(ブリコ)を抱え、脂の乗りが異なる時期があるだけに「安定した供給ができるのか」などの質問もあった。試食した一人が「しょっぱくない。この味で大丈夫だもんだ」と“浜の女性”のプライドを懸けて反論するなど、率直な意見が交わされた。小鯛佃煮と魚ハンバーグは「それなりにおいしい」など、おおむね好感が持たれていた。
これに先立ち「お客さまが買いたくなる仕組み」と題して尾形恵子さん(県よろず支援拠点チーフコーディネーター)が講演。売れ筋の参考として挙げたのが「薩摩海鮮かつおせんべい」(鹿児島・中原水産)。売れる土産品のポイントとして「常温・持ち運びしやすい・賞味期限が長い・小分けできる」の4点を挙げ、「全てに当てはまる。これもカツオの再利用として無駄がない品物。アイデア次第で商品のトレンドは作り上げられる」と語り、特にパッケージの重要性を挙げていた。この日の研修会で話し合われたことを参考に、再度商品化の研究が進められるという。