2019年(令和1年) 11月15日(金)付紙面より
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酒田市が4月から酒田南高校(中原浩子校長)の生徒を対象に取り組んできた「元気みらいワークショップ」の発表会が13日、同校で開かれ、教養探求コースの2年生95人が自分たちで考えたまちづくり政策を提言した。
このワークショップは市が市民協働のまちづくりに向け、2016年度から一般市民を対象に実施。参加者が市の現状や課題を学び、その解決策を提言、市の施策に生かしている。本年度は初めて、昨年1月に地域を支える人材育成に関する協定を締結した酒田南高の生徒を対象に実施。4月から10月まで7回、「産業」「地域おこし」「福祉」の3分野の17班に分かれ、市内各分野の事業者らの話を聞くフィールドワークなどを行い、人口減少や少子高齢化、商店街の衰退など酒田の現状や課題を学び、「私たちのまちづくり提案」を考えた。
この日、同校体育館で行われた発表会には丸山至市長や話を聞いた事業者、教養探求コース1年生を含め約200人が参加。2年生が班ごとに、壁に張ったポスターを解説する形で発表、参加者と質疑応答した。
2年生たちは「JR酒田駅2階に市内のラーメン店を10店舗ほど集め、観光誘客を図る『ラーメンストリートin酒田駅』を」「元気な高齢者を増やすため、老人ホームに『シルバー学園』をつくり、ダンスや俳句、歌の大会、マージャンなどで楽しんでもらっては」「地元の水産物の知名度アップを図るため、学校の給食やふるさと納税の返礼品に積極的に活用を」など、さまざまなアイデアを発表した。
水産物の知名度アップ策を提言した鈴木駿兵さん(17)は「地元の現状や自然の素晴らしさなどを学び、酒田のことが好きになった。仲間と助け合う大切さも再認識した」とワークショップの感想を語った。
丸山市長は冒頭のあいさつで「地域のことを考える絶好の機会になったのでは。皆さんも地域の一員。優れたアイデアは施策に取り込みたい」と述べた。市では来年度もこの事業を継続する方針。