2019年(令和1年) 12月12日(木)付紙面より
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酒田市の琢成小学校(上松由美子校長、児童167人)の4―6年生が10日、市総合文化センターで、郷土芸能の獅子舞などをモチーフにしたデジタルアート体験を行い、自作のお面をかぶり、スクリーン上の獅子を操るなど、最新技術を通じて伝統文化に触れた。
同校が文化庁の「文化芸術による子供育成総合事業」の採択を受けて実施。4―6年生93人が10月と今回の2回、ビジュアルデザインスタジオ「WOW」(東京都)のワークショップ「デジタルアートで体感する郷土芸能の世界」に参加した。
10月には同校で、同市の新町稲荷神社の獅子舞と、岩手県一関市の舞川獅子躍(おどり)の伝統芸能2種を観賞。舞い手は豊作や祖先供養などの願いを込め、お面などで変身して踊るという伝統芸能の背景を学んだ。さらに子どもたちは、各自が考えた「○○の神」に変身するとの想定で、額に反射材が付いたお面にさまざまな色を塗った。
2回目のこの日、子どもたちは2グループに分かれ、デジタルアートを作る仕組み学習と、WOWが制作したデジタルアート体験に交代で参加した。
仕組み学習では、人間の動きをセンサーで感知するマイクロソフト社の「Kinect(キネクト)」を使い、画面上のキャラクターの動きに反映する仕組みを体感。デジタルアート体験では、自作のお面を着けてスクリーンの前で手足を動かすと、スクリーンに獅子やナマハゲが現れ、自分と同じように動くのを体験した。キネクトがお面の反射材に反射する光で頭の位置を捉え、キャラクターの動きに反映したもので、子どもたちは獅子やナマハゲに変身したかのように、楽しそうにキャラクターを動かしていた。
5年生の鈴木丈智君(11)は「自分の動きと同じように動いて、とても面白かった。自分でもデジタルアートを作ってみたい」と話した。