2019年(令和1年) 7月21日(日)付紙面より
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学生のフィールドワークを通じてつながりのある鶴岡市と学校法人昭和女子大(東京都世田谷区、坂東眞理子理事長・総長)が、地域社会の持続的な発展を目的にした連携協力に関する包括協定を結んだ。来月初旬には同大の学生6人が鶴岡市役所へのインターンシップの形で訪れ、同市の資源を活用した新たなビジネスプランづくりに取り組む。
坂東総長は、10年前に鶴岡で開かれた講演会に講師として訪れたことがある。また、2018年度までの3年間は同大の学生たちが鶴岡を「食の博物館」に見立て、鶴岡の魅力を開拓・PRする体験・滞在型プロジェクトを展開。外国人留学生に向けたインバウンドツアーの商品を企画するとともに、ツアーを実施するなどして鶴岡と同大の連携・協力が深まった。
包括協定締結は、昭和女子大側が提案した。同大が地方の都市と協定を結ぶのは富山県朝日町に次いで2例目という。相互の人的資源、知的・物的資源を活用し、▽地域振興や地域コミュニティーの推進▽教育文化の振興▽農林水産や商工観光の振興▽健康と福祉の増進―などについて連携協力していく。
協定締結の調印式が17日、昭和女子大本部であり、皆川治市長と坂東総長が包括協定書に調印した。調印後、坂東総長は「鶴岡市は豊かな自然、旧藩校致道館をはじめとする非常に高い文化、温かい人柄の良さなどがある。スパイバーなど生まれも育ちも東京の人たちが鶴岡に根を下ろし、新たな企業も起こしている。よそから来る人を引き付ける力がある地域が成長する。鶴岡はまさにそうした地域であり、そのまちと協定締結でき大変ありがたい」と期待を寄せた。
皆川市長は「鶴岡の歴史、自然、文化、先端生命科学などを学生の皆さんから学んでもらい、私たちが気付かないような点について助言してもらい、若者に選ばれるまちにしていきたい」と述べた。
今後、鶴岡での現地インターンシップ、都内のイベントでの鶴岡のPR、体験を通して触れた鶴岡の魅力発信などを相互連携で進めていく。
2019年(令和1年) 7月21日(日)付紙面より
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東北公益文科大学(酒田市、吉村昇学長)の2、3年生16人が19日、同市の県立酒田光陵高校(鈴木和仁校長)を訪問、「ニュージーランドホストタウン事業を切り口とした地方創生を実現する商品開発」を統一テーマにビジネスプランを練っているビジネス流通科の2年生40人を前に、ニュージーランドに関する特別授業を繰り広げた。
市と公益大、光陵高の3者が2016年8月に締結した「若者の地元定着・回帰に向けた地元志向のキャリア教育推進のための連携協定」に基づく授業。20年東京五輪・パラリンピックにおけるニュージーランド・トライアスロンチームの「ホストタウン」に酒田市が登録されたことを受け、同校ビジネス流通科の生徒たちは商業科目「商品開発」の中で、市民へのPR、大会終了後も酒田とニュージーランドの交流を持続するための商品・サービスといったビジネスプランを考察している。優れたプランは、日本政策金融公庫主催「高校生ビジネスプラングランプリ」に応募する予定。
プラン作成の生徒たちを支援しようと、公益大ニュージーランド研究所長を務める武田真理子教授(社会福祉、社会保障など)による競争型課題解決演習を履修した学生たちが今回、授業を繰り広げた。
この日は、学生たちがスライドを使ってニュージーランドの文化や料理、先住のマオリ族、ラグビーの代表チーム「オールブラックス」、酒田とのつながりなどを講話。「オールブラックスは第1回ワールドカップで優勝するなど圧倒的な強さを誇る。試合前の儀式『ハカ』は相手を威圧するために行う」「マオリの伝統料理が『ハンギ』。肉や野菜を土の中に埋め蒸し焼きにするもの」「スナック菓子『SAKATA』はヘルシーと評判」などと述べ、生徒たちは今後に役立てようと真剣に聴き入っていた。
授業を行った学生の1人、3年の佐藤稜奈さん(21)は昨年10月から4カ月間、ニュージーランドに留学。「どのように教えたら分かりやすいかを考えながらリハーサルを繰り返した。今後のプラン作成に役立ててもらえたら」と話した。