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2019年(令和1年) 7月28日(日)付紙面より

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酒田市 良品計画 地域発展へ協定締結

 酒田市上黒川の市日向コミュニティセンターに26日、コミュニティカフェ「日向里(にっこり)かふぇ」がオープンした。地域住民と市、「無印良品」の良品計画(本社・東京都)の3者が連携して整備・運営する新機軸の取り組みで、地域の新たな交流と活性化の拠点を目指す。良品計画は同日、市との間で、連携して地域発展に取り組むパートナーシップ協定を締結した。

 市商工港湾課によると、良品計画との関係は約3年前、市が企業誘致の一環で出店を働き掛けたのがきっかけ。同社は地域との関わりを探る中で、旧日向小(2009年に閉校)校舎を使った日向コミセンに注目。日向コミュニティ振興会(小松幸雄会長)が17年12月、「地域の交流活性化に向け、コミセンにカフェ開設を」と市に要望していた経緯もあり、連携してカフェを開設することになった。

 開設・運営の主体は日向コミュニティ振興会で、良品計画は店舗や設備のデザインなどを監修、地域の住民・企業は内装や備品作り、市は関連経費の支援と役割分担した。

 カフェは1階玄関とホール、合わせて約90平方メートルに開設した。椅子やテーブルは旧日向小のものを住民や東北公益文科大の学生が布を張り替えたり、ペンキを塗ったりとリメイク。地元の農産・加工品を売る産直コーナーや良品計画の菓子・雑貨類を売るコーナーなども設けた。

 提供するメニューは、セルフサービスのホットコーヒー100円をはじめ、地元産粉を使ったそば、ケーキ、良品計画のレトルト品に地元野菜などを加えたカレーなど。店長は曜日ごと住民が交代し、月1回は公益大生も担当の予定。

 この日午前11時から行われたオープンセレモニーでは、餅まきなどをして祝った。日向コミ振の小松会長は「準備段階から住民や学生、地元企業などが動き、ここを核に新たな地域の活力が生まれつつあると実感。住民の居場所づくりを基本に、活性化につなげていきたい」と語った。

 一方、酒田市と良品計画の協定は、双方が連携・協働して、▽住民の暮らしに役立ち、地域を活性化するためのプランニング▽地域の潜在的な公共空間を地域コミュニティの場に再生するプロジェクト▽子育てや次世代育成支援▽地域資源を活用して産業を振興するプロジェクト―などに取り組むという内容。同社が自治体と同様の協定を結ぶのは東京都豊島区、千葉県鴨川市に次いで3カ所目。

 双方はこれまでも日向里かふぇのほか、4月に良品計画が東京・銀座にオープンしたホテルへの酒田産品(酒、農産物)の納品、社員研修の受け入れなどで連携している。うち社員研修は今月3―5日、14―19日に2回、それぞれ社員約20人が酒田を訪れ、4班に分かれて飛島、市街地、日向、大沢各地区の活性化に向け、地域資源や連携の在り方などを調査している。

 この日午後2時から市役所で行われた協定に関する記者発表では、丸山至市長が「ビジネスと地域の課題解決と、互いに発展する方策を協定で見いだしていきたい」とあいさつ。良品計画の生明弘好執行役員ソーシャルグッド事業部長は「小売りはこれまで地域外で作ったものを売り、売り上げは外に出る形で、地域の経済循環にあまり貢献してこなかった。酒田では地域の経済循環に貢献しながら、事業拡大につながる方策を考え、一つずつ実現していきたい」と抱負を語った。近い将来、庄内への出店も視野にあるという。
 社員研修の成果については来月9日、市内で発表会を開く予定。

地域住民と市、良品計画が連携してオープンした日向里かふぇ=26日午前
地域住民と市、良品計画が連携してオープンした日向里かふぇ=26日午前

協定書を披露する丸山市長と生明部長(右)=26日午後、酒田市役所
協定書を披露する丸山市長と生明部長(右)=26日午後、酒田市役所


2019年(令和1年) 7月28日(日)付紙面より

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地域交流の場「子ども食堂」スタート

 酒田市の酒田調理師専門学校(齋藤善明校長)で26日、「子ども食堂」(地域食堂)の取り組みがスタートした。同窓生が中心となり、手作りランチの提供などを通じ、地域の老若男女が交流を深める場とするもので、今後月1回のペースで開催していく。

 子ども食堂は、子どもの貧困や一人で食事をする「孤食」などが問題視される中、子どもやその家族、地域住民に食事を無償(または格安)で提供し、交流を促進する活動。同校では地域に開かれた学校を目指し、県の新規事業「子どもの居場所運営支援事業」の助成を受けて実施する。同窓会は従来から保育園や福祉施設で食育教育を行うなど地域活動を行っており、子ども食堂についてはボランティアで中心的に関わっていくことになった。

 この日はスタッフとして同窓生9人と教職員、学生が参加。同市の業務用食材卸「和光食材」や地元農家から無償提供された食材を使い、朝から「夏野菜たっぷりドライカレー」やサラダなどの料理を作り、昼食に子ども(高校生以下)無料、大人200円で提供した。

 また、午前8時半―午後4時半の間、和室は学習・交流スペースとして開放。スタッフの指導を受けながら子どもたちが夏休みの宿題をしたり、ゲームや紙芝居、おしゃべりなど憩いの時間を過ごした。

 佐藤祥子教頭は「地域の子どもから高齢者までが集い、食や交流を通じ、コミュニケーションを深める場にしていきたい」、同窓会の佐藤憲三会長(68)=遊佐町遊佐=は「同窓会として学校の知名度アップにも貢献したいと思っていた。会員の技術を生かし、参加する人が楽しく交流し、食に関心を持ってもらえれば」とそれぞれ子ども食堂に寄せる思いを語った。

 次回は8月20日(火)を予定。ランチは正午から。同校では食材提供者とボランティアスタッフを募集している。

 問い合わせは同校=電0234(22)0397=へ。
     

調理室で子ども食堂用の料理を作る佐藤会長(左)ら同窓生
調理室で子ども食堂用の料理を作る佐藤会長(左)ら同窓生

和室で、スタッフの指導で勉強する子どもたち
和室で、スタッフの指導で勉強する子どもたち



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